國學院大學ポッドキャスト番組「学問のNUMA」 歴史学から切り拓く、教科書には載らない戦国時代<前編>
矢部健太郎教授が解き明かした戦国時代の新事実とは?
第3回のゲストは、文学部史学科の矢部健太郎教授です。矢部教授は歴史学を専門としており、そのなかでも織田信長や豊臣秀吉が活躍した「織豊時代」を中心に研究。平成28(2016)年に上梓した『関白秀次の切腹』(KADOKAWA)が当時話題を集めました。
矢部教授が語ってくれたのは「教科書だけがすべてではない戦国時代の真実」という、なんともセンセーショナルなテーマ。「戦国時代」というと映画やドラマ、小説などでもおなじみです。血で血を洗うような戦の世をイメージしがちですが、必ずしもそうとは限らなかったようで……。
収録冒頭、矢部教授がおもむろにクイズを出題。
「戦国時代は〇〇の時代だった。さて、この〇〇に入る言葉とは?」
宮田さんやタツオさんからは「グルメ」「茶器」などの回答が飛び出しますが、当たらずとも遠からず。答えを知った2人は「この時代に醸成された文化が今の暮らしにつながっている」「なぜその事実が知られていないの?」と、興味津々の様子です。
しかし、これも序の口。矢部教授は、誰もが知る戦国武将の素顔にも迫ります。フィクションの世界では圧倒的なカリスマ性を放つ織田信長ですが、矢部教授は「あれほど裏切られた武将はいない」と、バッサリ。さらに“出世人”として知られる豊臣秀吉の残忍な一面へと話は広がっていきます。
ーー収録を終えて、いかがでしたか?
タツオ:戦国時代は、民の生活が激変した時代だった! 当時の若者たちも我々と変わらず、お年寄りから『私たちの頃はそんなに便利じゃなかったよ』と、小言を言われていたかもしれません。
宮田:教科書で学んできた織田信長や豊臣秀吉にあんな一面があったなんて。自分で調べてみないとわからないことがまだまだたくさんありそうです。
矢部教授:教科書の内容がもっとも変わる科目ってなんでしょうか? 私は『日本史』だと思います。あなたが読んでいた教科書の内容もすでに変わっているかもしれない。こうした解釈の変化に歴史学のおもしろさが詰まっています。
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取材・文:名嘉山直哉 撮影:押尾健太郎 編集:篠宮奈々子(DECO) 企画制作:國學院大學