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21:【旬】を大切に

【成人の旬】【喜びの旬】【旬に種を蒔こう】などなど・・・
天理教では【旬】と言う言葉をよく耳にします。
【旬】と言う言葉を辞書(広辞苑)で紐解くと、
①「古代、朝廷で行われた年中行事の一つ。1旬10日毎の初日である1日・10日・20日および16日に天皇が紫宸殿に出御、臣下に酒宴を賜い、政を聴く儀式。」
②「魚介・野菜・果物などがよく採れて味の最も良い時」
③「転じて物事を行うに適した時期。」とあります。

以前に、知り合いから箱で果物を頂いた時、その果物箱の中に入っていた紙に【旬】の話しが書いてありましたので紹介します。

ひと言で【旬】と言っても【旬】には『走り・盛り・名残り』があります。
『走り』の魅力は何と言っても、出回り始めの初物の希少価値です。時期に初めて収穫されたもので、その珍しさから縁起が良い・寿命が延びるなどと有難がられています。走りの農産物は味はまだまだ未熟ですが、でも柔らかさ・瑞々しさが特徴です。
『盛り』の物を俗に言う【旬】と呼び、実りが最盛期を迎え、味がのってとても美味しく、栄養価もぐんと高まります。収穫量も増え旨味が増し味も濃くなります。植物にとっては自然界における生育条件が整い、自身の持つ力で成長する時期です。旬の食べ物はその時期の人間の身体を整える栄養分が豊富で、身体も無意識にそれを欲しがります。うまく出来てるもので人間も自然界の一部なんだと感じます。
『盛り』が過ぎると『名残り』と呼ばれ、農産物は円熟した味わいになっていきます。ひと昔前の日本人は限りある食べ物を限られた時期に大事に頂いて暮らして来ました。自然な成り行きの植物の旬は思いのほか短くあっという間に過ぎていきます。それを惜しみ「来年もまた良い実りが頂けます様に」と言う願いと感謝を込めて『名残り』そんな言葉が生まれたのでしょう。素敵な言葉ですね。


【旬】と言う時期を『走り・盛り・名残り』と3つ分けて、そのものを味わい感謝するって良いですね~。
経済成長と共に食べ物の安定供給・利便性と言う観点から、食品の加工・製造・輸送に関わる技術革新が進み、保存・冷凍の技術も向上し「いつでも・どこでも」同じ味を実現でき、日本だけじゃなく世界中の食べ物が味わえる世の中になりました。忙しい現代社会には、大変便利で助かり美味しい食べ物がいつでも食べる事が出来る有難い社会でありますが、反面大きな天候不順・物流の滞りなどが起これば「食」はひとたまりもありません。最近の異常気象を思うとそんな不安を感じてしまいます。
だからこそ「今だけ・ここだけ」と言う【旬】を大事にしたいものですね。『走り・盛り・名残り』を感じ木・草・花の成長を見つめ、実りに感謝すると共に果実の持つ旬の意味・力を実感したいものです。

いま私たちは【旬】を迎えております。年祭活動三年千日は【成人の旬】と聴かせて頂きます。一年目の『走り』を我武者羅に通らせて頂き、二年目の『盛り』は、大きな天災・事情・節を与えて頂き、またその節を乗り越える人々の底力を感じた一年でした。さあ~今年は三年目『名残り』の【旬】です。心穏やかに世の中を見つめ・感じて、実働して、与えて頂く大いなる実りに感謝し、教祖百四十年祭を「嬉しい心」で迎えたいものですね。

今回も文章力がない私の拙いnoteを、
最後までお読み頂き有難うございました。

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