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かかあ天下で良くなくない?
妊娠も8ヶ月に入ろうか、といったときのこと。
いよいよベビー用品を買いに行く次第となった。
ベビー用品店に着くと、ベビーバス、新生児用紙おむつなど、ひとまず子どもが生まれたきて最低限必要なものをピックアップ。
そんな中で、かなり時間を費やしたのが、退院時に赤ちゃんに着させる『ベビードレス』だった。
たしかに、産まれてくる子どもはドレスを着るにふさわしく、お姫様扱いしてよいように思える。きれいなベビードレスを着させ、その誕生を祝いたいものなのだが、どちらかというと私は「オーガニック」とか「国内産」とかデザインよりも材質で子どもを祝ってやりたい、という気持ちのほうが強い。
しかし、うちも「かかあ天下制度」を敷きつつある。
妻は、ベビードレスは可愛いものにしたがっていたので、逆らうことなくそちらのモノを買うことにした。
ただ、気になることはある。
それは、結局ベビードレスの色をピンクにしたことだ。たしかに女の子が産まれてくる、という予測を産婦人科では言われたが、実際は産まれてくるまでわからないということだ。
そんな中で、私としてはやはり、男の子だったとしても対応できる「黄色」をチョイスしたかったのだ。しかし、妻の言うことを最優先する我が家ではそんなことは軽々しく言えない。
では、どのような伝達方法だったら、うまくその考えは伝わるのだろうか。
ベタに、「オウムに吹き込んで言わせる。」
これに限る。
面と向かって言えないことって、ある。そんなときは何かを媒介にするのが最良の策だ。
好きな人に、友達伝いに愛の告白。先生に、母親伝いにいじめの報告。
子どものときにはなにか言いにくいことがあるときに、誰かがそばにいてくれた。
しかし、大人なればなるほど媒介にできる存在など、そうそうない。なんとか間に挟めるのがオウムなのである。
「産まれるまでは赤ちゃんの性別がハッキリしないんだから、無難に黄色のベビードレス買ったほうが良いよ」
直接言われたら、首を絞められるかもしれないが、オウムが言ったならばオウムの首は絞めづらい。そして、どこが首なのかわからず一瞬迷ってしまい絞められない(そもそも動物にそんなことはできるものではないが)というところがまた、オウムに喋らせるという伝達方法のポイントとなるのだ。
話は変わるが、そのベビードレスを着た赤ちゃんを包む「おくるみ」の買った色は、黄色である。
私としては、オウムに「全部ピンクで統一したほうが良かったんじゃないの?林家ペーパーみたいに」と吹き込みたい気が、しないでもない。