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Twitterで誰が「HSPカウンセラー」を名乗るか?

本記事の目的

以前の記事で、Twitterアカウントのプロフで「HSP」を名乗る人の特徴を調べました。今回は、前回と同じ要領で、「HSPカウンセラー」を名乗る人の特徴を調べてみました

データの収集方法

2021年11月1日に、Twitterのユーザー検索機能で「HSP カウンセラー」「HSP 専門 カウンセラー」のキーワードで検索しました。ヒットしたアカウントを一つ一つ目視で確認し、HSPを対象にしたカウンセリング業を行っていると思われるプロフを抽出しました。結果として27件のアカウントを収集しました。

分析方法

収集したテキストデータの特徴を把握するために、KH Coder 3(https://khcoder.net/dl3.html)を用いて、計量テキスト分析を行いました。

分析に先立ち、テキストデータを目視で確認し、絵文字や記号などを削除したうえでデータを読み込みました(総抽出語数=1849語)。なお、テキストデータには個人を特定しうる情報(個人名など)は含まれていませんでした。

前回の記事と同様に、今回の分析では、頻出語(どの言葉が多く出現したか)共起ネットワーク(どの語とどの語が一緒に出現しやすいか)を検討しました。「名詞」「形容動詞」「動詞」「形容詞」を対象に分析を行いました。共起ネットワークは、単語の最低出現数が3以上かつJaccard係数が0.2以上のものについて作図しました。

どのような語が多く出現したか?

3回以上出現した語は以下の通りです。

HSPカウンセラー頻出語リスト

当たり前ですが、「HSPカウンセラー」を名乗っているプロフを抽出したので、「カウンセラー」という単語が一番多く出現しました。

次に多かったのは「自分」です。プロフをみてみると「自分らしく」「自分のままで」といった文脈で使用されているようでした。

3番目は「生きる」です。プロフをみると「生きづらさ」「生きやすく」などの文脈で使用されているようでした。

4番目は「心理」(心理カウンセラーと名乗る文脈で使用)、5番目は「繊細」(繊細さんという言葉で使用)、6番目は「カウンセリング」(カウンセリング資格取得という文脈で主に使用)でした。

7番目は「発信」で、情報を発信している旨がプロフに書かれていることが多かったです。

8番目は「経験」で、自身が様々な困難な経験をしていることが書かれていました。

9番目は「自己」で、「自己肯定感」という単語で使用されることが多かったです。

少し飛んで14番目に「」とありますが、これは興味深かったです。プロフをみると、「夫」との離婚やモラハラ「夫」など、「夫」との関係が良くなかったことを書く人もいました。

その次の「障害」は、自身が「パニック障害」「摂食障害」「社交不安障害」など様々な障害を経験していることが書かれていました。

どの語とどの語が同時に出現しやすいか?

以下の図は、共起ネットワーク分析の結果を表しています。

HSPカウンセラー共起ネットワーク


自分」と「生きる」は、自分らしく生きることや、自分の生き方などについてプロフで言及するために、同時に出現しやすい傾向がありました。

うつ」と「経験」は、文字通りで、自分自身がうつ病を経験したことを書いたために、同時に出現する傾向がみられました。

これと関連して「精神」「障る」「いる」は、分解されすぎて一見良く分からないようにみえますが、プロフでは自分自身が「精神障がい」になったことが書かれることが多かったために、このような共起関係が確認されたようです。

」と「支援」は、同じ悩みを抱えている人を支援したい、といった文脈で同時に出現する傾向がありました。

神経」と「悩む」は、自律神経について言及する際に出現する傾向がみられました。

自己」と「肯定」は自己肯定感という言葉で同時に出現する傾向がありました。

資格」「取得」や「心理」「認定」は、自身のカウンセラー資格について言及する際に同時に使用されていました。

おわりに

今回の調査は、もちろん様々な限界点があるので、資料程度にすべきものです。

それを踏まえたうえで結果をみると、「HSPカウンセラー」を名乗る方々のプロフは、自身の生きづらさ(精神疾患などの経験)に言及する傾向があるように思いました。この意味を解釈していくことは、昨今のHSPムーブメントの特徴をさらに理解する手掛かりになるかもしれません。

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