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【連載】家族会議『気持ちを大事にするということ』
「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。その様子を、録音記録をもとに書き記しています。
前回の記事はこちら。
家族会議4日目#2|気持ちを大事にするということ
――気持ちはひとつではない。しかもマトリョーシカのようになっている。「気持ちを大事にする」ということは、それらをすべてを、まるごと大事にするということだ。
とくに大事なのは、奥の奥に隠され守られている気持ち。その核となる気持ちがいわゆる「本当の気持ち」であり、表面に現れる気持ちの発端なのである。
わたし:気持ちを大事にしようという流れって、ほんと最近のことでしょ。そう考えると、昔は気持ちを感じようともしなかったんじゃないかなって。
母:そうだね、うん。
わたし:お父さんが言ってるみたいに「それが当たり前だと思ってたから」っていう感じで。でも本当はあるんだよね。
母:気持ち・・・なんだろう。気持ち悪いものは気持ち悪さを感じてるっていうのは確か。子供のときだって同じように気持ち悪かったと思うけど、そういう世の中だから、そういうのをさっと閉じ込めちゃってる。
――気持ちを大事にする。それを多くの人は、気持ちを閉じ込めることだと勘違いしたのかもしれない。
安全な場所に閉じ込めて、他の気持ちで幾重にも覆い隠して…。
そうやって奥深くに閉じ込めているうちに、その存在は忘れ去られてしまった。マトリョーシカが入れ子になっていることを知らなければ、開けようとすることもない。
でも確かに存在するのである。心の奥底で、今も叫んでいるかもしれない。
「出してくれ」と。
わたし:今もまだ、同じような感覚で苦しんでる人っていっぱいいるよね。今でこそカウンセリングに通うみたいなことが一般的になってきてるけど、昔はそういうのってないわけでしょ。
気持ちを大事にしようなんて、誰にもしてもらえなかった。親にすらなかなか、気持ちを大事にってしてもらえなかったわけだよね。
母:だからだよね。自分でも意識せずに何人かが集まって人の悪口を言ったりとか、なんかそういうのを吐き出すみたいなことはきっと、そういうところから来るんだけど、そんなこととは意識せずにやっているっていうのはあると思う。
普段の愚痴を何か気の置けない人と言い合うとか、そういうことはやってたよね。何やってるか、わからずやってんだろうね。
――愚痴を言う。その愚痴はおそらく、表面に現れ出た気持ちだ。その気持ちを開けば、次の気持ちが出てくる。そのまた次も。そのすべての存在を認めてやることが、「気持ちを大事にする」第一歩になる。
- 今日はここまで -
わたしたちは、気持ちの閉じ込め方は感覚的に身につけている。それが、世を渡り歩く術だと教わってきたからだ。でも同時に、気持ちの解放の仕方も身につけておかなければならなかったのだ。
閉じ込め方を教えるなら、一緒に解放の仕方も教えておく。それが、親の役目のひとつだろう。
解放の仕方を知らなければ、息苦しくてしかたがない。
<次回に続く>
これまでの家族会議記事はマガジンにまとめています。お時間あればぜひ、わが家の会議をのぞきに来てください!
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