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【連載】家族会議『兄へのジェラシー』
「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。その様子を、録音記録をもとに書き記しています。
前回の記事はこちら。
【家族構成】
父:自己愛性パーソナリティ障害。頭に血が上ると大声で威圧する。
母:自己肯定感が低い。自分の意見を言えない。
姉:うつサバイバー。心理カウンセラーをしている。
わたし:性犯罪サバイバー。家族会議を主導する。
※遠方に住む姉は家族会議には参加していない。
※家族会議の目的は、夫婦仲の改善と、うつを抱える姉の気持ちをわかってあげられるようになることである。
家族会議12日目#7|兄へのジェラシー
――父は、自分のどこが上から目線なのかわからない。
自分で自分の状態がわからないほど、当たり前に根付いた「上から目線意識」はどこからきているのか。
わたしは、実家の雰囲気(意識)が関係しているような気がしている。
祖父の家がさかのぼると武家だったこと、祖母の家が地主だったことが影響しているのではないか。その考えを、父に伝えたところまでが昨日のブログ。
今回はその続きから。
父:
それがね。これに載ってんだよ家系図。よく表してるよこれ。
――いつだったか、伯父(父の長兄)が家系図をつくったのだった。
父:
なんたってね、これをね、何のために書いたかっていうとさ、多分、わが家はこうなんだぞということを知らしめるために書いたと思うんだ。
母:
これだけの由緒ある
わたし:
一番上の人がすごいの?
父:
すごいんじゃなくって、この我が家はこれだけの代
わたし:
代々受け継いできてるってことか
父:
14代とか15代とかさ。ないわけだこんなに。日形村(父の故郷)では。こういうことを知らしめるために、なんかまとめたような気がするな。
母:
そういう意識が、意識がこういうものを作る一つのなんだろう、動機というか。それなりの家だよっていうことだね。
わたし:
まあ、プライド意識っていうかさ。普通にそれがあるのが当たり前の環境??
母:
それを育てたかもしんないよね、上の人たち。我が家はこうなんだよって。
わたし:
そうだね。意識を高めていったというか。
母:
そういう面もあるかもね。
わたし:
家として、代々受け継いでいってさ、繁栄させていくにはそれも大事だよね。自分たちがそういう意識を持って守っっていくって
母:
そうだね。守らなければっていう。それだったら、「守らなければ」とかいうこと(プライド)にも繋がる。
父:
いやだけど家系図見て、一番最初に思ったのはね、今まではこうだったねと。
「これ間もなく崩壊すると思う」って言ったことあるんだよ。兄貴に。「こんなものを書いたところで、絶対崩壊するから、特にいらね」と。俺言ったことある。
わたし:
そうなんだ。なんて言ってた?そのときおじちゃんは。
父:
「いや、これは守っていかなきゃいかん」って。それはそうかもしんないけども、気持ちはわかるけど、崩壊すると思ってたら案の定もう崩壊してるわ。
――まだ崩壊してはいないけど。たしかにもう、風前の灯火だ。そもそも代々受け継いでいる家もない。
わたし:
おじちゃんはある意味、跡継ぎの立場だからそういう意識はより強いかもね。
母:
そうだと思う。
父:
だから俺が結婚するにあたって、結婚する前な。そのときに、俺婿養子に行ったっていいんだけどなと言ったら「何?」って。
わたし:
それは駄目なんだね。末っ子でも。
父:
末っ子でも駄目みたいなんだ。なんで「あんたが継いでくんだから俺どこ行ったっていいだいいだろう」という感覚だったんだけど、駄目だっちゅうんだ。
母:
ちょっとお父さんにも、逆らう気持ちみたいなのがあったのかな。
父:
俺が?
母:
うん、〇〇家って言ってるのに対して。
父:
まあ唯一、長男にだけは逆らってたわ。やっぱり中学校で出そうと思ったら。
――由緒ある家庭だったはずの父の家は、末っ子の父が育つ頃には経済的に厳しい状況で、高校に行くのさえ危ぶまれた。
大学まで行って教師になった兄に対し、中卒で就職させられそうになっていたのが父。
その進路(就職)を、床に臥せる父に代わって推し進めたのが長兄だったのだ。
父:
だから高校の入試のときにも如実に表れててさ。
入試のときに、英語は選択肢なんだわ。選択で英語を選ぶか、何を選ぶかって。で英語選ばなかったから。で、帰ってきたときに兄貴が「今日どれ選択した?」っていうから、「家庭科選んだ」つったら、「なんで英語選ばないんだ」って。それがまず第1回目の逆らいね。
わたし:
小さな逆らいだ。笑
――伯父は英語教師だったため、その英語を選択しなかったというのが、長兄に対する逆らいだったのだ。
父:
そう。ほんで、あれ(兄貴)問題覚えてたんだな。「今日こういう問題出てたな」って言って、「ファイトってスペル書けるだろ??」って。「ファイトってのは、FIGHT」って言ったんだよ。「わかってんじゃねえか。なんでわかってるのにやらねんだ」って言われて。
母:
なんで知ってるの?
わたし:
学校の先生だからじゃなくて?情報が入ってきたってことでしょ。
父:
そうそう。
母:
そうか。
父:
自分が英語を教えてた立場だから。長男の英語は日本語英語だろうけどさ。
わたし:
なんかこの前も聞いたけどさ。「当たり前だと思ってたから」って言ってたけど、伯父ちゃんにさ、嫌な思いをしたことあるわけだよね?
父:
うん
――「上から目線」がなんなのかわからないという父に、何度か聞いている。
上から目線を絵にかいたような伯父の存在に、嫌な思いをしたことはなかったのか、と。
しかし父は、「上からも何も、兄貴だからそれが当たり前だから」と言って、「上から目線がわからない」という考えを崩さなかった。
でも、ある。実際には。
長男として生まれてきただけで自分よりも優遇され、当たり前のように偉そうに振舞う兄に、嫌な思いをしてきたのだ。
- 今日はここまで -
父の兄弟関係は、表面上は良好に見える。だけど兄弟が集まった場で、心を開く父を見たことはない。
兄たちの前で逆らうことは一切しないけど、心の中では見下している。
父にとって兄弟は、家族というよりライバルなのだ。
とくに長兄に対しては、ジェラシーのようなものを感じる。一方的にだけど。
母親に執着していた末っ子の父にとって、兄たちは邪魔な存在だったのだろう。
<次回に続く>
これまでの家族会議記事はマガジンにまとめています。お時間あればぜひ、わが家の会議をのぞきに来てください!
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