見出し画像

【連載】家族会議『家族会議の作戦会議』

「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。2020年1月6日から約4ヶ月に渡って行った会議の様子を、録音記録をもとに書き記しています。

【家族構成】
父:自己愛性パーソナリティ障害。頭に血が上ると大声で威圧する。
母:自己肯定感が低い。自分の意見を言えない。
姉:うつサバイバー。心理カウンセラーをしている。
わたし:性犯罪サバイバー。家族会議を主導する。
※遠方に住む姉は家族会議には参加していない。
※家族会議の目的は、夫婦仲の改善と、うつを抱える姉の気持ちをわかってあげられるようになることである。

前回の記事はこちら。


家族会議32回目#9|家族会議の作戦会議

この日は母とふたりで家族会議をしている。

なぜなら、父も交えての家族会議が意味をなさなくなってきたからである。

会議の席に着くだけで、そこで居眠りしようが「俺は家族関係修復のために努力している」と言わんばかりの父。

そんな父と無駄な時間を積み重ねるのに嫌気がさし、家族会議をやめることを提案したけど、結局のところ、回数を週1に減らすことで落ち着いた。


明日は、その週1の家族会議の日だ。


わたし
明日は家族会議だけど


そうだね。一応自分は、こんな気持ちだったっていうことを言おうかな。

わたし
うんうん。


大体これ(過去の夫婦関係を振り返った年表)に沿ったことを言おうかなと思ってたんだけど‥‥思ってたんだけど、お父さんが「いや、それはこうだった」とか言ってくるのかな?そしたら「そうなのか」ってなったりすんのかなって。なんか、お母さんのストーリーは甘いかも。

わたし
そうだね。多分、また喧嘩になったり、お父さんがまた嫌な気持ちになるだけかな。お父さんを嫌な気持ちにさせたいんだったらいいけど。笑

でも、お父さんが嫌な気持ちになるイコール、イライラしだすじゃん。そうすると、こっちも嫌な気持ちになるわけじゃん。

だから、今それ(過去の気持ち)を出しても、お母さんもお父さんから返ってくる反応に対して冷静に受け止められないよね?まだ。今の段階で出すと、よけいこじれると思う。


そうか。

わたし
うん。 こういう話をしたよっていう報告はシェアした方がいいかなと思うけど、内容を事細かく、明日の段階で言う必要はないかなって思うかな。まとめだけ。お父さんみたいな感じで、ざっくりで。


ざっくり。笑

わたし
こういう話から、こういうことをしばらく振り返っていて、次にやることはこういうことだねっていう話になってるよ。みたいな報告。細かいエピソードに関しては、全部言うと‥多分これ、お父さん嫌な気持ちになる話でしかないと思うから。 まあ、それでも別にいいんだけどさ。


いやいや。

で、その、いろいろ考えるときには、どれか一つを選んで、まずは考えたほうがいいんだよね?

わたし
かなと思う。


あちこちよりね。

わたし
うん。いっぱいあるけどね。


自分がこれにしたいと思うものについてよく考えてみる。

わたし
うん。


わかった。でもまあ、どれにも通じるようなことだしね。

わたし
と思う。 大体、何か繋がってはいると思う。だいたいが理由も一緒なんだろうね。 お父さんが怒鳴ってくるときのお父さんの気持ちで考えてみても、おそらく一緒。だとは思う。

‥‥そうだなぁ。なんか本当、お父さんて最低な人間だなとしか‥。って感想になっちゃうね、今日の話聞くと。笑


ちなみに、明日はわたしはなるべく話さないつもり。で、お母さんとかお父さんの話をそれぞれがシェアすればいいかなって思う。ただ、最初にそれは言おうかなとは思ってる。今コミュニケーション取るっていう段階じゃないから、この週1の家族会議では、その1週間に考えてきたこととか、わたしとお母さん、お姉ちゃんとお父さんで話してきたことをシェアをする場にしようって。

もちろん、言いたいことがあれば言ってもいいけど、基本的にはそれがベースでいいと思うんだよねって。しばらくは、お互いがどんなことやってるか知るっていう。

それに、さっきお姉ちゃんが、お父さんも今、自分がコミュニケーションとれる段階じゃないっていうことは、薄々気づき始めてるみたいって言ってた。だから、家族会議とかコミュニケーションっていう意味では何の進歩もしてないけど、お父さん個人としてはいい感じ。って。ちょっとわかり始めたらしい。

とはいえ、「明日こんなふうに発表しようと思う」っていう内容が「それはちょっと‥‥」っていう感じだったから、それは伝えておいたって。結局のところお父さんに任せるから、どうなるかはわからないけどって。

お母さんは今回は、この怒りとか見下しの話だよね。


うん。

わたし
お父さんに怒りや見下しがあるっていうことをわたしに指摘されて、それってどういう気持ちなのかっていうのを、時代の流れに沿っていろいろ出してみたところで。 これからその一つ一つのエピソードを、もっと深く掘り下げていくところだよって。

お母さんが帯状疱疹になる前に2回ぐらいやった話からの流れで、今回のはきてると思うんだよね。


そうだよね。‥‥とりあえずこれを、なんでやるようになったか。

わたし
お姉ちゃんに対して、自分がしてきたことってこうだったんだっていう話になって。あと、お姉ちゃんの鬱のことを人に話せないことについてわたしに指摘されて、そこから同情されたくないとか、弱みを見せたくないみたいな気持ちがあるって。それって見下されるような感覚があるのかもねみたいな。だけどそれって、自分も人を見下してるからかもってお母さんが自分で言ってて。で、実際そういうとこあるよねって。

その見下す気持ちってどんな気持ちなのか。 人のどういう部分を見下してるのかとか、その辺を考えていこうかって。


それについては考えようって言って、まだやってないよね。

わたし
うん。でもある意味、その一環でしょ。お父さんとの関係の振り返りって。

まず見下している人、誰がいる?って言ったときに、お父さんって出てきたんだよね。


そうだっけ。

わたし
そう。あとは、中国人とか韓国人って。でもそれは、ちょっとジャンルが違うって。


そうだ。

わたし
韓国人とか中国人は、自分は何もやられてないのに、偏見とかで見下してる感覚。おじいちゃんとかから植え付けられてきた偏見があるなっていうのがわかったけど、お父さんに対しては反発というか、やられたからやってる。みたいな、ちょっと意味が違うねって。

で、その見下す気持ちってどういう気持ちだろうねっていう話から、怒り。溜まりに溜まった怒りとか、過去に言われたけど、今度は違うこと言ってたりとか、自分がやってたりとか。そういうところに見下しの気持ちがあるなっていうところで、過去の振り返りをしたんだよね?


そうだね。過去の怒りが見下しに繋がってる。

わたし
見下しに繋がってる怒りが何なのかみたいな話だよね。

だから、お母さんの中では、お父さんを見下す発端はお父さんにある。っていうことになってる。それが正しいかどうかは置いといて、お母さんとしては、お父さんに引き出された感覚なわけだよね?それが、どういう言葉とか態度によって、その見下す感覚を引き出されたのかっていう、その辺を振り返るために、過去の気持ちとか、言われたこととかを振り返って出したところ。だから、ここから深掘りしてくところだよって、いう報告になるかな。


もう明日は報告だけになっちゃうけど、自分としては、これについてもっと深くすると、いうことだね。

わたし
うん。まあ、いつかそれ、言ってもいい。いいと思うよ。だけど今じゃないって感じかな。きちんと言えるように


自分がね、まずね。

わたし
きちんと言えるそのときまで、温めておく。


そうだ。自分がだよね。

わたし
お姉ちゃんも、一気に全部言わずにストックしてるって。まあ、そういうんじゃないけど。わたしは結構さ、その場の勢いでぶつかっていっちゃうほうなんだけど、お利口な人は、もうちょっと勝てるように準備してから戦うよね。笑


そっか。笑

わたし
お母さんは、そのほうがいいんじゃないかなって感じ。わたしほど言えないじゃん?で、お父さんの空気に流されちゃう。だから、そういう人は準備した方がいいよね。


そっか。

わたし
そうだな、変にわだかまりを残さないのって、やっぱり、自分の本当の言いたい気持ちをちゃんと出せてこそだから。 お父さんの反論に止められちゃったりとかすると、気持ち悪いよね。特に過去のことは、それに負けないぐらいの準備をしてからのほうがいいかなって思う。


― 家族会議32回目おわり ―


父と、心の通い合ったコミュニケーションがしたいなんて、たぶんきれいごと。

本当は、言いたくても言えなかった、我慢して押さえ込んできた気持ちをわかってほしいだけ。

とにかく自分の、「わかってほしい」を満足させたいのが人だ。


だけど、「わかる」のは相手。

わかるかどうかは相手にゆだねるしかない。

自分ができるのは、わかってもらおうとすることだけ。

そのためには、気持ちを伝える必要がある。

そのためには、自分の気持ちがわからなければはじまらない。


コミュニケーションを取るには、相手の気持ちをわかること以上に、まずは自分をクリアにしておくことが大事なのだと思う。

自分のことがわからない人と、心の通い合ったコミュニケーションなんてできるはずがないのだから。

<次回に続く>


これまでの家族会議記事はマガジンにまとめています。お時間あればぜひ、わが家の会議をのぞきに来てください!

いいなと思ったら応援しよう!

心乃泉
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!

この記事が参加している募集