【連載】家族会議『人間関係はしがらみ』
「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。2020年1月6日から約4ヶ月に渡って行った会議の様子を、録音記録をもとに書き記しています。
前回の記事はこちら。
家族会議15回目#3|人間関係はしがらみ
――この日は初日の録音を振り返りながら、感じたことや気になったことを話し合っていた。
わたし:
あと、お父さんが言ってたしがらみって何だろう?って。仕事に対する。
実際このとき、しがらみって何を言いたいのかわかんないって感じだった。明確になってない。
――初日に父は、仕事に対する向き合い方を語った。
なんのために働くのかという話の中で「自分のためでもあるし、しがらみをこなすってことでもあるし」と言っていた、その「しがらみ」の意味がよくわからなかったのだ。
父:
あ、そう?うんいや…
なんか流れで言ったような感じ。今聞いたらニュアンスだから。あれ?しがらみってどういう意図で言ってんのかなって、俺自身がそう思ったわ。
わたし:
そのときは人間関係のしがらみみたいなことだったと思うけど。会社で何を頑張ってるかみたいな話で。
お父さんの仕事に対する意識は給料50%ぐらいで
父:
うん
わたし:
その他50%ぐらいだった。っていう、その、その他って何だったの?って聞いたときに、「しがらみかな」みたいなこと言ったんだよね。
そのしがらみって何なの?って聞いたら人間関係とか、取引先の人とか
父:
あ、しがらみっていうのは
わたし:
うん、このしがらみという表現がなんかちょっとよくわからなかった。
父:
お金のため50%、その残り50%だとすれば、その残り50%のうちの何パーだか知らないけど、自分のためってのが入ってるね。
わたし:
うんうん。
父:
あと残りに関しては、なんちゅうんだろうな、頼まれたらやるしかないねと、いう感じ。
わたし:
うん。
父:
頼ってきたら
わたし:
うんうん。そんなふうな言い方は、そのときはしてなかったけど。
なんかとにかく、しがらみをクリアすることで評価されて、地位が上がったんだみたいな。
父:
うん。だから、頼られてきてそれをこなして評価されて。それの繰り返しのような気がするな。上がっていくのが。一発で上がるわけもないし。
わたし:
うん、もちろんね。
父:
こっちも頼る
わたし:
頼る…。
父:
うん。で、向こうも応えてくれる。そのお返しじゃないけども、それのやり取りで評価が上がってって結局給料も上がると。地位も上がると。そういうことかな。
わたし:
しがらみの意味って検索すると、「せき止め絡むように束縛となるもの」って出てる。だから束縛…
父:
言葉が違うんだ。
わたし:
うん、言葉が違うよね?しがらみではないよね!
そのときもなんかね、ちょっとピンとこない感じだなとは思ってた。なんかしがらみって言われてイメージするのは
父:
信頼っていう感じか。
わたし:
もう苦しい。いろんな苦しいことがあったのを戦ってたみたいな感じで
父:
いや、全然違うそれは。
母:
時々お父さん、言葉がなんか…
父:
すみません
母:
意味わかんないなっていうか、ちょっと違う言葉じゃないのかなみたいな感じ。
わたし:
信頼。
母:
むしろ信頼されて応えて自分も頼って。なんかすごくいい関係。お互いに協力するというか。
父:
だからそれがまた自分のためでもあるんだよな。結局その繰り返しがさ、しがらみつったらおかしいけど、なんて言うんだろうな。
わたし:
でも、しがらみもあるんじゃないかなと思うんだよね。実際は。このとき「しがらみをクリアすること」って言ってたから。信頼されて応えて、自分も頼ってみたいな繰り返しをするのって、あんまクリアするみたいな表現しないよね。構築していくみたいなことだから。
母:
信頼関係を構築
わたし:
仕事ってそういう面もあると思うんだよね、苦しい面。しがらみっていうとちょっとわかりづらいけど、つらさとか苦しみ、とかあと無理難題運をクリアすることで評価に繋がった。
父:
当然そういうのもあるわな。
わたし:
うん。なんかその辺を言ってるのかなと思って、そのときは聞いてたって感じだったな。
父:
そのときのやつは、今の流れ聞いてるとそっちの方じゃなくて、信頼の方だな。信頼をうるために。
わたし:
信頼を得るためね。
父:
いろんな人から。その信頼を得るためには、いろんな面に難題があるだろうから、それをこなさなきゃいかん苦しみっていうのも当然あるでしょう。
わたし:
うん。
父:
だけど目的は信頼だわな。
――おそらく父にとって、人間関係はしがらみでしかない。会社でいえば、上下関係や取引先との関係に束縛されて、思うように動けない感覚があったのだと思う。
であれば、「人間関係のしがらみに囚われて大変だった」と、言ってくれた方がわかりやすい。
目的は信頼関係を構築することだけど、人付き合いが苦手な父にとっては、そんなきれいごとで片づけられないほど大変だったと思う。
だからこそ、「なんのために働いてきたのか」の問いに「しがらみ」と答えたのだろう。
- 今日はここまで -
会社での人間関係がしがらみなのだとしたら、父にとっては家族もそうかもしれない。だから「誰のおかげで生活できていると思ってるんだ」なんて言葉もでるのだ。
俺は家族のしがらみがあるから苦しくても働いてきたのに。との思いだろう。
その側面も確かにあるけど、逆恨みのようなものだ。
家族は、父に苦しんで欲しいとは、これっぽっちも思っていないのだから。
苦しかったなら言ってほしかった。
何も言わずに家族のせいにされるなんて納得いかない。
<次回に続く>
これまでの家族会議記事はマガジンにまとめています。お時間あればぜひ、わが家の会議をのぞきに来てください!
この記事が参加している募集
よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!