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【連載】家族会議『自分をぶっ壊す?』
「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。2020年1月6日から約4ヶ月に渡って行った会議の様子を、録音記録をもとに書き記しています。
前回の記事はこちら。
【家族構成】
父:自己愛性パーソナリティ障害。頭に血が上ると大声で威圧する。
母:自己肯定感が低い。自分の意見を言えない。
姉:うつサバイバー。心理カウンセラーをしている。
わたし:性犯罪サバイバー。家族会議を主導する。
※遠方に住む姉は家族会議には参加していない。
※家族会議の目的は、夫婦仲の改善と、うつを抱える姉の気持ちをわかってあげられるようになることである。
家族会議17回目#1|自分をぶっ壊す?
――2020年2月15日。家族会議は17回目。
この日の家族会議の冒頭で、父は新たな決意?を語った。
父:
それで夕べ考えてね、こうしようと思ったんだよ。自分をぶっ壊すと。
母:
うん。
父:
で、ぶっ壊すためにどうすればいいんだ?と。
ぶっ壊すためにはね、この家のリーダーというか、中心は俺じゃなくてお母さんだなというふうに、俺はこれからそうしようというふうに、夕べ俺の中では決めて。
だったら、リーダーに対する所作っていうかね、言葉遣いというか。あるだろうと。少し柔らかくなるだろうと。勝手に今思ってんだけど。そうなるかどうかわかんないけど。
というのが昨日の反省点でした。だからとにかく、そのくらいしないとね。なんか、わかってないのがダメだダメだって言われても治らないような気がするわ。
わたし:
うーん…
父:
治すんじゃない。腹に落とすんだって言われるけど、そんな生易しいものじゃ治んねえなって気がして。
だから、お父さんの中ではお母さんを中心にと思って。お母さんを親分と思って。表現悪いけど。
そうするとお父さんの今までの言葉、所作、すべて少しは変わるんじゃないかなというふうに考えた次第でございますよ。
わたし:
うんまあ、とりあえず、お父さんがそうじゃないとダメだと思うなら、やってみたらいいのかなと思うけど、思う…思います。
父:
やってみるから。
わたし:
うんとりあえずやってみたら?まあでもね、根本的にそういうランクの話じゃないんだよねとは思うけど、まあいいんじゃない?
そういうふうに立場を変えてみる。一回やってみるとわかることもあるかもしれないね。
――父にとって、態度を根本から変えるには、家族の中で自分の立場が下だと意識しなければならない。
そしてそれは、自分をぶっ壊すのと同じこと…。
わたしたちは、父に下手に出てほしいわけでもないし、ぶっ壊れてほしいわけでもない。
「父親=偉い=家族は俺の言うことを聞くのが当然だ」
がおかしいよ。という話をしている。
もっとフラットな価値観を知ってほしいだけだ。
- 今日はここまで -
態度を変えるには意識から。
でも根源的な意識は、そう簡単には変わらない。
実際父は、これをやってみると言って、ただただ堪えて耐えて…我慢しただけである。
それだけ家庭内で自分が下だというのは、納得いかないことなのだ。
だけど母は、父が下になると宣言したからと言って、父を虐げるわけではない。
単に自分で自分を追いつめているだけであって、「我慢だ。我慢だ…」と自分で自分を苦しめているのだ。父はときおりこうして、自虐的になる。
自己愛性パーソナリティ障害だからかな。
そのうえ、「俺がこんなに我慢してるのはお前たちのせいだ」と、心の中ではわたしたちのせいになっているはずだ。
だから嫌なんだよなぁ。
そんなことでは、下になってみても、下だと決めつけられてきた母の気持ちは1ミリもわからないだろう。
<次回に続く>
これまでの家族会議記事はマガジンにまとめています。お時間あればぜひ、わが家の会議をのぞきに来てください!
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