
【連載】家族会議『弱い犬ほどよく吠える』
「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。2020年1月6日から約4ヶ月に渡って行った会議の様子を、録音記録をもとに書き記しています。
【家族構成】
父:自己愛性パーソナリティ障害。頭に血が上ると大声で威圧する。
母:自己肯定感が低い。自分の意見を言えない。
姉:うつサバイバー。心理カウンセラーをしている。
わたし(泉):性犯罪サバイバー。家族会議を主導する。
※遠方に住む姉は家族会議には参加していない。
※家族会議の目的は、夫婦仲の改善と、うつを抱える姉の気持ちをわかってあげられるようになることである。
前回の記事はこちら。
家族会議35回目#4|弱い犬ほどよく吠える
この日は母とふたりで、母から父への手紙に何を書くのかを相談している。
その中で、父がまずクリアすべき問題は「自分がなにをしているのか気づくこと」だよねと、そんな話になった。
とくに父の大きな問題としてあるのが、「怒鳴る」ことである。
母:
お父さんとしてはあれなのかな、大きな声を出したらお母さん怖がったりしてるから、おとなしくなるじゃん。お父さん側からみたら。
わたし:
うん。
母:
それって、「よしっ!」って感じなのかしら?
わたし:
うー‥ん
母:
とりあえず、わーって言って押さえつけて、自分のほうもこれで安心みたいな?
わたし:
うん。
母:
とにかく「何か言ってこなくなったから良かった」みたいな。
わたし:
うん、かな?どっちかっていうと‥‥そこまで「ヨシッ!」って、勝ち誇ったみたいな感覚にまでは。明確には感じてないんだと思うんだけど。
とにかく余裕がないから、ああやって大きい声出して、威嚇してくるわけで、中身がちっちゃいからなわけよね。 自信がなかったり余裕がないから、そうやって態度で威嚇して相手を黙らせて自分を守る。 どっちかっていうと、そういう行動なわけだから
母:
自分を守る。か
わたし:
うん。だからまあ、勝ちたくてやってるとか、っていう感じでは、多分そのときはないよね。そんな余裕もないっていうか
母:
何か、攻撃されてる感じなのか。
わたし:
うん。なんか、攻撃されてる感じだったり「攻撃が来る」って
母:
ああ、「来そう」って
わたし:
うん。例えばそのカミソリの話(過去、父が母にカミソリを投げた話)も、どっかで「まずい」、「あんまりいいことではない」っていうのはやっぱわかってるから、これ以上お母さんの話を受け入れると、さらに責められる
母:
あー。攻撃されそうな気がするっていうか雰囲気っていうか
わたし:
うん。
母:
すると、自分を守るために、大きい声になる。
わたし:
だからまあ、自分に都合の悪いことだよね。で、「攻撃される」と思うと、もう攻撃されたら、やっぱ都合が悪いことだから、言い訳もできない。正論も語れない。自分の行動がまずいってわかってるから。
だからそういうときとかだよね。冷静に説明できないようなときだよねって思うの、大声で威嚇したりするの。都合が悪い。 それを隠す。つまりは話し合い拒否なわけなんだけど。
気持ちいいっていうほどでもないんじゃないかなって気はするね、お父さん側も。
母:
この間のことだって、反省するというよりは、もっとさらに、お母さんからするとひどいことを言ったっていう。反省するどころかひどいことを更に言ってくるっていうのも、ただただ自分を何とかして守るため?
わたし:
そうなんだと思うけど、そうやって墓穴を掘るよね、お父さんって。見えてないってことだと思う。 もう【余裕なし】なわけよ。そのときのお父さんって。
まあ家族会議やってても、とにかく余裕ない。 だからその場しのぎで、何か良さそうな、最もらしいようなこと言って、どんどん自分で自分を追い込んでいった。
そういうときも、そういうことが起きてると思う。更に罪を重ねちゃうみたいな。
母:
ただこっちは、その声にびびって黙るけどね。
泉のときは、そこを負けずにっていうか、なんかもう、まっすぐに行くから、お父さんは、もう自分の今までの手が通用しない
わたし:
そうだと思う
母:
っていうことだよね。
わたし:
うん。
― 今日はここまで ―
「弱い犬」でも吠えれば怖い。
自分を守ろうとするためであっても、やっているのは「威嚇」なわけで、飛びついてきて噛みつく勢いのその様子を見れば、恐怖を感じるのは当たり前である。
それに、「自分を守る」という目的があったとき、人はなにをしでかすかわからない。自分に危険が差し迫る、その恐怖は人を狂わせてしまうこともある。
つまりは、精神錯乱状態ということだ。
まあ、そうは言っても、精神錯乱状態で大声で怒鳴ってる相手を前にすれば、こっちも恐怖に支配されて錯乱状態だ。
つまり父と母の関係は、精神錯乱者同士の関係ということもできる。
まともな家族になるわけがない。
そう考えると、ちょっと笑える。
そんなわたしも狂ってるかも。
<次回に続く>
これまでの家族会議記事はマガジンにまとめています。お時間あればぜひ、わが家の会議をのぞきに来てください!
いいなと思ったら応援しよう!
