【連載】家族会議『言葉と感情の矛盾』
「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。2020年1月6日から約4ヶ月に渡って行った会議の様子を、録音記録をもとに書き記しています。
前回の記事はこちら。
家族会議20回目#1|言葉と感情の矛盾
2020年2月23日。家族会議20回目。
この日も家族会議3回目の録音の振り返りから始めた。
母:
これ(録音で聞いた内容)について、お父さんに質問なの。
わたし:
お父さん寝てるけど。
――録音の振り返りをしていると、父は度々寝てしまう。話し合い中にも寝てしまうけど。
母:
お父さん、いいでしょうか?
親父に関しては「高校行かしてくれたからチャラだ」みたいなこと言ってたんだけど、ね?そのチャラってどんなことかなと思って。
チャラはわかったけど、親父のことでなにをチャラにしたのか、浮かんでくること。
父:
小さいころに、やっぱ残ってたことかな。だいぶ泣かされたもんな。
母:
泣かされた?
父:
泣いた。
母:
言葉で怒られるの?叩かれんの?
父:
たたきはしない。
母:
習字なんかも?
父:
たたきはしない。頭コツンぐらいするかな。
母:
怒られて。なかなか上手くならないから?
父:
うん。
――祖父はよく大声で怒鳴る人だったと聞いている。それが子供心に、威圧感があって怖かったんだろう。
母:
習字以外ではどう?
父:
習字以外、なんかそこ覚えてないんだけど泣いたな。
母:
泣いたことは覚えてんだ。何回も?
父:
うん。
泣いて逃げた先がおっぴーさんだったりお袋だったり。
わたし:
誰(どの人格)が泣いてたんだろう。
父:
誰だろうな。年越しの晩に泣いてたのが、記憶にあるな。
母:
何があったんだろう?
父:
粗相したんじゃないかな。
母:
年越しに泣いてたときって、誰がいたの?
父:
みんないたと思うな。
母:
みんないた。兄弟たち。まだお父さん小さいときだからお姉さんたちも。
父:
長男はいなかったかな
母:
それ以外の人はいた。大家族だったんでしょ?一時は。それ覚えてる?
3歳のころ、はまこ姉さんに背負われて台風のときに逃げたっていうんだから、はまこねえさん以下の人たち
父:
女が3人だろう。あとのぶちゃんと俺だ。
母:
兄弟5人。お父さん、お母さん、おばあちゃん、
父:
8人か。
母:
泣いた時、お姉さんたちに慰められたこととかは?
父:
それはないな。おばあちゃんかお袋だな。
わたし:
自由奔放な子(人格のひとり)が泣いてた感じ?
父:
自由奔放なのかな?なんで泣いたか思い出せないから。
わたし:
どういう気持ちだったかは?
父:
気持ち?
母:
悔しいとかとかそういう
父:
悔しいとか、怖いとか、そんなんかな。
後半戦、なんか録音聞こえてなかったな。なんか寝てたんだろな。笑
母:
聞こえてないって。笑
わたし:
寝てたよ?笑
――これまで散々指摘してきたからか、寝てたことを自ら白状した。反省の色はまったく見えないけれど。
「聞いてなかった」ではなく「聞こえてなかった」
「寝てた」ではなく「寝てたんだろうな」
他責、他人事。それがよく表れている言い方だ。
― 今日はここまで ―
今回父は、よく怒られ、よく泣いていた理由を、「粗相をしたんだろう」と言っている。それは、何かまずい行動をきっかけに怒られた感覚があるということだろう。
以前聞いたエピソードでも、怒った内容は理不尽なものではなかった。
鋏を持ってくるよう言われた姉(伯母)が、刃先を向けて渡そうとした瞬間に、祖父は突然大声で「危ないだろう!」と怒鳴った。という話だった。
怒鳴ること自体が理不尽ではあるけど、怒った内容で「それは理不尽すぎるね!」と感じるエピソードが‥‥出てきていない。
だけど父が怒鳴るときは、「腹の虫の居所が悪いとき」や「父にとって都合が悪いとき」であることが多いと感じる。
もしかしたら祖父もそうだったのかもしれないけど。
子供のころ、親がなぜ怒っているのか分からないことでも、大人になって振り返ると分かる場合もある。当時は怒る父親がただただ怖いだけでも、理不尽じゃないことなら後から納得できたりする。
だけど父の場合は、当時も今も、なぜあのときあんなに怒っていたのか?理由がわからないことが多々ある。
それは当時父が言った言葉と、そのとき抱えていた感情に矛盾があったからだと思う。
もしくは、「俺だって怒られたんだから、親になったら俺も怒っていいだろう」という、それこそ理不尽な理由だったのか‥‥。
<次回に続く>
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