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【連載】家族会議『子供の気持ちがわからないときの対処法』
「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。その様子を、録音記録をもとに書き記しています。
前回の記事はこちら。
家族会議5日目#1|子供の気持ちがわからないときの対処法
――2020年1月10日。家族会議は5日目に突入した。
前日から幼少期の自分に寄り添い、声をかけてあげるワークを実践している。
わたし:
今日はお母さんからだね。幼いミエコちゃん(母の名)に言ってあげたいこと、でてくる?
母:
考えてみてたんだけど・・・
わたし:
例えば、いとこと比べられたり、してたんだよね?
母:
してた。まぁ今の自分でしか言えないと思うけど。リアルな言葉が浮かばないけども、とりあえずというか。
わたし:
うん。いいよ。
母:
比べられてできないことはあるけど、でもできることだってあるし、おばあちゃんが言ってるようなことができなくても大丈夫だよ。かな。すごくぴったりってわけでもないけど。
わたし:
うん。言われた通りできなくても大丈夫だよってことね。
――母は子供のころ、母親から、特に家事の手伝いをしないことを指摘されていた。「〇〇ちゃんは、お弁当自分で作ってるってよ」とか、「〇〇ちゃんは家事のお手伝いやってるってよ」などと。
それは自立心を促すためのものなのか、単なる親の都合なのか・・・。
母:
手伝いして欲しかったのか。それとも他の人に比べて自分の子供ができないのが嫌だったのかわからないけど。
わたし:
うーん。そういうふうに比べる言い方をする気持ちってどんなかなって、おばあちゃんのこととか考えてみると、なんかあれかな、自立心を促そうとする発言なのかな?絶対そうとは言えないけど、なんていうか悔しさから
母:
おばあちゃんが外で味わった悔しさを?
わたし:
違う違う。お母さんに悔しさを感じさせようみたいな。わたしだったらそうかな?って。悔しいから頑張ろうみたいな気持ちにさせて、自分からやるように仕向けようって。無意識にね。
母:
無意識でか。なんかわたしが感じるのは、ただもう、何かぶつけてるって感じのような気はするんだけど。
わたし:
うんうん。そうだったのかもしれないね。
母:
自分の、どんな気持ちかよくわかんないけど、ただぶつけられてる感じ。
わたし:
お母さんが感じてたことのほうが合ってるかもね。
母:
もし本当に、できるようにさせたかったならもうちょっと、例えばお弁当を自分で作るとかっていうのは、「こんなのが作りやすいよ」とかさ、もうちょっと作れるようにお膳立てじゃないけども…。
そんなことよりも、ただそのときのおばあちゃんの何かをぶつけてるって言ったら言い過ぎかもしんないけど。
わたし:
うんうん。わたしが言いたいのも、親心だよねってことじゃなくって。なんか悔しい思いとか、恥ずかしい思いさせてやらせようみたいなのって、すごい意地悪なやり方だなって。
母:
それ言って、やってくれたら嬉しいかもね。次の日から弁当作り始めたらおばあちゃんは嬉しかったかも。
わたし:
けど意地悪ないい方だし、意地悪なやり方だと思う。自分からやるようになってほしくて言ってるんだとしたら。すごく遠回しだし、わかりづらいし。
あともちろん、こういう意地悪な言い方することで自分の気持ちぶつけて発散してるのもあると思うしね。
母:
どっちかというと本当、ぶつけてる感じ。そんときの何か自分の気持ちをただ、そういう言葉でぶつけてるっていう。
わたしがそれで嫌な思いしてるかどうか、そこは考えてないと思う。自分の何かを満足させるために
わたし:
愚痴っぽい感じ?
母:
そうそう。
わたし:
溜まってるものをそうやってぶつけたみたいな。「あぁ、大変!わたし」みたいな。
母:
もうわたしの顔見ると、そんなことが言いたくなる。弟を見ると弟の何かを言いたくなるみたいな。
わたし:
そうやって、ただストレス発散の対象にされてたってことだよね。
母:
うん。だとしたら、「気にしなくていいんだよ」みたいなこと言いたいかな。その子に。「気まぐれで言ってるだけだから」とか。
わたし:
「あの人ヒステリックだからさ」とかね。
母:
そうだね、そうだよね。
――子供の自立心を促そうとするのだとしたら、なにも嫌味な言い方をする必要はない。母の嫌味によって子供が行動できるようになったとしても、同時に心が傷ついている可能性があるのだ。
ましてやそこに、親自身のフラストレーションが混じっているのだとしたら、そのはけ口にされた子供は、親のネガティブな感情まで背負わされることになってしまう。
祖母は悪い人ではないのだけど、愚痴の多い人ではある。外で偽善的にふるまう人だったから、家でそれが出てしまうというのも想像ができる。母はその、はけ口にされていたのだろう。
- 今日はここまで -
母は、子供のころの傷ついた自分を思い出すと同時に、「自分も母親と同じことを子供にしてしまった」という後悔の念にさいなまれる。そこで親目線の思考に陥り、子供のころの自分を癒すことが出来なくなってしまう。
そこが、インナーチャイルドを癒すワークの難しいところだ。
人は大人になり親になると、親の気持ちがわかるようになる。親の立場で物事を考えるようになり、子供ころの気持ちは忘れてしまう。
わが子の気持ちがわからないという場合、自分の子供のころの気持ちを忘れていないか、振り返ってみるといい。
自分の子供のころの視点を取り戻しさえすれば、わが子の気持ちは手に取るようにわかるはずだ。
<次回に続く>
これまでの家族会議記事はマガジンにまとめています。お時間あればぜひ、わが家の会議をのぞきに来てください!
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