【連載】家族会議『噛み合わない②』
「親戚で一番幸せな家族になろうよ」のひと言から始まったわが家の家族会議。2020年1月6日から約4ヶ月に渡って行った会議の様子を、録音記録をもとに書き記しています。
前回の記事はこちら。
家族会議27回目#5|噛み合わない②
――この日のここまでの話し合いをChatGPTにまとめてもらった。
わたし:
ここ最近、お父さんに気持ち出してって言っても「無理」ってなっちゃうからさ、一旦気持ちのことは置いとこうかっていうのも、わたし的にはもう、それで家族会議やって意味あんのかなって、いう思いもありながらだったけど。
それでもやってくうちにちょっとずつ、見物しながら、こっちの話聞いてる中で気づいたりすることがあるのかもしれないしっていう、むしろ譲歩する気持ち。なんだけど‥‥。
何様のことしか言えないけど、本当何様のことしか言えなくなっちゃうんだけど、どういう立場から今お父さんって家族会議に参加してんだろう?って。
母:
上から目線‥‥(小声)
わたし:
そういう気持ちになるな。
母:
自分の立場がわかってない‥‥自分のことがわかってない‥‥(小声)
わたし:
どういう、どういう立ち位置で今、家族会議やっていこうと思ってるの?っていうか、思ってたの?
(沈黙)
わたし:
わたしもなんか、どんどん聞いてったり責めるみたいになっちゃう‥‥から悪いっていうか‥‥。
だからお父さんがいっぱいいっぱいというか、追い詰められちゃうみたいな気持ちになるのは、わたしも悪かったなとも思ったし、だから時間が必要っていうのも、そりゃそうだよねって思う。思ったからしょうがないかって。
でもお父さんのことじゃなくて違う話でっていうのってさ、気持ち出すのを拒否された気分っていうか。気持ち出さないで家族会議やっていくみたいなことで、それって家族会議の意味もないんじゃないかなとか思ったりもしたけど、まあ時間が必要っていうのもわかる。自分で考えたいっていうのもわかる。から、今はしょうがないのかなと思った。思っていた。思っていたんだけど‥‥
母:
泉の話も、何ていうの、私の話なんだけど、自分のこととして、聞いて‥‥
父:
聞いてます。
母:
聞いて‥‥たのかな‥‥
わたし:
もうわかんない。‥‥わたしがなんか、わかんない。ってなってんのおかしいのかなぁ?
母:
いや。もう、こんなことを教えてもらうことさえさ、教えてもらわないとわかんないことさえ情けないのに。うーん‥‥さらに泉が言ってるようなこと‥‥泉に言わせないで‥‥
わたし:
わかんない。でもお母さんが喋るとさ、お父さん余計むかついちゃうみたいだから。
母:
うーん‥‥
わたし:
なんか、わたしおかしいって感じ?
父:
いやおかしくないよ。
わたし:
わたしが言ってることは、わかる?
父:
わかる。
わたし:
うん‥‥じゃあいいや。
父:
泉の言うことがわかるから、今検証しようとしてんだよ。納得っていうところまでかな。理論的には言ってる通りだけど、それを納得したいんだよな。
母:
納得するにはきっと、自分のことをやんないと。だと思うよ。ただの理屈だけだと‥‥。やりながらみたいなことかな。やりながら‥‥。納得していくみたいなことだと思うんだけど。
それに、今お姉ちゃんのことやってるけど、お姉ちゃんもいっぱい傷つけたけど、泉のことだって私達傷つけてる。だよ。その泉が、こんな相手をしてくれてんだよ。
父:
わかりました。
母:
カウンセラーが来てやってくれてんじゃなんだよ。
父:
じゃ、泉さんに従ってやりましょう。
母:
従ってっていうか、泉の気持ちを‥‥私も理解はしきれてないけどさ、泉の気持ちを、受け止めて‥‥
わたし:
うーん‥‥「泉に従ってやりましょう」って言われて、「じゃあわたしに従って!やってこう!」みたいな気持ちにはなんないから、ちょっとなれないから。
やっぱり、うーん‥‥この間さ、「もう無理なんじゃないかな」って言ったじゃん?朝喋っててお父さんに。あれは半分本気で半分本気じゃないっていうかさ。
まあ、だいぶ無理だと思いつつも、でもお父さんが「家族会議が最後のチャンスだ」っていうから。
お姉ちゃんも「だいぶ前に一旦あきらめてた」って言ってたものを、今やってるわけで。ここで諦め‥‥わたしが諦めちゃったら、やっぱさあ、お姉ちゃんどうなんの?って。お姉ちゃんのためにも、やめちゃいけないなとも思うから、だから、もう本当に匙を投げようって気持ちにまではなってないんだけど、ただ無理して継続するよりは、一旦休む?ってちょっと思ってたんだよね‥‥。
思ってたんだけど、「お父さん以外のことでだったらできそうだ」っていうから、こういう風にお母さんの話とかお姉ちゃんの話でって、思ってたんだけど。
そうなったときにわたしとしては、今みたいなお父さんの発言っていうのは、ちょっとなんだろう‥‥じゃあせめて、なんだろうな‥‥。なんかとにかく、今みたいな発言でさ、ちょっと、なんか、本当どっから目線なのか‥‥。わたしが言うのもほんとさあ、わたしに言われたらむかつくんだと思うんだけど、「一旦ちょっと自分のことやめて」って言った人の発言じゃないっていうか、正直。なんか自分のことは置いといて、どっから目線で発言してくんのかなみたいな気持ち。
父:
いやあの、今日発言したっていうのは、参加してるのは勉強のために参加してるんだわ。だから途中ずっと黙って聞いてるわけ。俺はこうしようかああしようかって、その場その場で、あるんだけども。で、一番印象に残ったのが、「俺だったらこうやりたい」ということを言ったのが、何様目線だっていう話になってんだと思うんだけども。
わたし:
うん。
父:
うーん‥‥参考にしたいっていう意識では参加してるよ。相手の気持ちをわかるために、こうこうこうすればいいやと、いうことを盛んに言ってるんで。お母さんはこれでやっていきたいとか言ってて、それで、「そうじゃねえああだこうだ」って、そこは俺聞きながら、俺だったらこうするかとかさ。一番最後にコミュニケーションだけチョイスをして言ってたんだけども。
別にその‥‥考えねえで言ったからかな。ただ、思いだけで。俺が勉強すればいいだけの話であって、やってる内容違うもんな。お姉ちゃんに対する話だから。俺がどうしようと、また別の話だもんな。そこはわきまえませんでしたね。
わたし:
うーーーん‥‥んー‥‥なんか、やっぱ‥‥ずれてる気がする。それかお父さんのまたあれなの?言葉のチョイス違いなの?
父:
いやずれてんだと思うよ。ずれてんのが俺だよ。だからこのずれも補正しなきゃいかんし。言葉のチョイスもあると思うんで、それも一緒に勉強したいし。
わたし:
ちょっと今のお父さんの話聞いても、さっきの発言とリンクしていかないっていうか。「そういうことだったんだ」って、全然思えないんだけど、なんか‥‥うーん‥‥わからない。
なんか、ちょっとだけわかったけどほぼわからないんだけど、んー‥‥つまりはお父さんの思いだったってことね?
父:
感情っていうやつ?
わたし:
コミュニケーションがうちには足りてないからって。
父:
あーあれは俺の思いだよ完璧に。俺はそう思ってると。皆さんはどう思ってるかわかりませんが。
わたし:
うん‥‥そこにも引っかかるっちゃ引っかかるしね。
それは、そりゃみんな思ってるっていうかさ。一番拒否してくるのお父さんだしねっていうところだし。そこにももちろん引っかかっちゃうけど
父:
拒否?
わたし:
自覚ないと思うけど、本当に拒否なんだよね、お父さんは。
父:
あっそう
わたし:
お父さんが拒否してるわけ。今回のも、自分のことを見ていくのやだっていうのは、コミュニケーションの拒否でしかない。わたしからすれば。
父:
自分のことを見るの嫌だって、俺言った??
わたし:
そういうことじゃん?嫌だっていうか、その子供の頃のこととか
父:
嫌なんじゃなくて、(子供の頃のエピソードが)正直出てこなくて困ってんのよ。
わたし:
ああ、それでさ、一旦止めようっていうのは拒否だっていう感覚だね、わたしにしてみれば。
父:
ああそうなの?
わたし:
だって考え尽くさないでしょ?
父:
尽くさない‥‥。何をもって考え尽くすっていうんだ。
わたし:
途中で諦めちゃってる感覚だね。
父:
はあ。
わたし:
気持ちに触れることがなかなかないからお父さんの場合。触れさせてくれないなあって感じ。それってコミュニケーションの拒否なんだよねって。
― 今日はここまで ―
父は、気持ちを聞いていくと、「わからない」「ちょっと待て」「納得いかない」「時間をくれ」「検証してみる」といってイライラし出し、その場での話し合いを止める。
「ここがわからないんだけどどういうこと?」とか、「納得いかないんだけどこれはこうじゃないの?」とか、会話の中で疑問を解消していくことはせず、「あとで考えてみる」と言って、「俺の結論はこうでした」と言うのみ。
まるで会話にならない。
その結論に対しこちらが意見を言うと、また「時間をくれ」と言う。
お互いの気持ちや考えを話し合いながら理解していく、そんな会話になることはなく一方的だ。
百歩譲って自分ひとりでじっくり検証してみてもいい。だけど父が検証する中に、わたしたちの気持ちや考えはまったく含まれていないのだ。
そんなのはコミュニケーションじゃない。
そんな父が「わが家に足りてないのは気持ちのコミュニケーションだ」と言う。
まるでわたしたちのせいであるかのように。
<次回に続く>
これまでの家族会議記事はマガジンにまとめています。お時間あればぜひ、わが家の会議をのぞきに来てください!