人を育てる自然保育⑮ 朝の仕事
以前に書いたとおり、朝は雑巾がけから始まります。
背中を見せる
ただ、年長の仕事はそこでは終わりません。
各動物の飼育や小屋の掃除、庭の掃除(園によっては保育室の掃除など)。
もちろん遊んでしまうこともあります。
しかし、保育者は声を荒げません。
自ら掃除を率先することで、その背中を見せるのです。
それは未満児の雑巾がけでも同様です。
はじめは雑巾がけをする保育者の後を泣きながら追いかけていても、保育者の年上のこどもたちのこどもの姿を見て、だんだんと習慣にしていく。
年長も保育者や仲間の姿から掃除に参加する仲間も増えていきます。
自分をコントロールし、要求に応える
「掃除してよ」と、仲間同士で要求することもあります。
最近、誰かに要求するよりも自分でさっさとしてしまおうという性格の息子が、友達に要求しました。
掃除をしないと、その子の中で自分はしてないという気持ちもあったのでしょう。要求に応えてくれました。
要求に応える中で、自制心、自らをコントロールする力をつけ自ら判断する力もつけていくのです。
そして、私は今回、はじめて要求をして、しかもそれに応えてもらえたという経験も息子にとって大きかったと思います。
自分の意見を言葉にする第一歩を踏み出せたようですごく嬉しいです。
マカレンコの言葉です。
集団とは、同じ目的、同じ行動によって統一された、組織され、規律と責任をそなえた自由なグループのこと。
仲間たちの中に規律と責任が生まれてはじめて、ひとりひとりのこどもの自由が保障されるし、人格も尊重されると思う。と、さくささくらんぼのこどもたちの中で山崎さんは述べています。
息子たちはその一歩が踏み出せたようです。