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「腹が立つ」と「ムカつく」
数年前から、”たびりら”という足袋型シューズを愛用しています。晴れた日は氏神様へのお参りも、”たびりら”です。
土や石、落ち葉など、地面のデコボコを足裏で捉え、それとともにバランスを取る身体の反応を楽しみながら本殿に向かいます。頭で考えなくても自然に反応している身体の素晴らしさを実感します。
日本は元来、着物と下駄によって、腰と足指を意識する生活が日常でした。すると自然に足腰が鍛えられ、大地に根差したどっしりとした身体になり、それに伴った精神が養われていました。
明治大学教授 齋藤孝氏の言葉をお借りすると、「腰肚(こしはら)文化」。
そのため、日本語には
腹を決める、
腹に落ちる、
腹が立つ、
腹に据えかねる…
といった「腹」を使った表現が多く見られます。
しかし近年、「腹が立つ」という表現は「ムカつく」に変わってきています。ムカつくのはどこか?
→胸です。腹よりも上。
意識が、腹よりも胸に移動していることが伺えます。そして、現代人の呼吸の浅さを物語っています。グッと、腹に収まる前にムカっとくる。これはキレやすさにもつながっています。
ちょっとしたことでキレる、すぐに反応する、SNSは大炎上。
そのおかしさに気付いている方も多いと思います。
だからこそ、マインドフルネスやアンガーマネージメントなどが注目されているのでしょう。
ただ、本や研修で知識を得ただけでは限界があります。
自ら実践し、体得することが重要です。