不登校HSCの母が娘のトリセツ(取扱説明書)を作ろうと思った時のこと
『子どものトリセツ』プロローグ
娘の小学校入学を前に私が心配だったこと。
それは、
"先生たちは娘のことをどれだけわかっているのだろうか?" ということ。
保育園から小学校への引継ぎに不安があった私が『娘のトリセツ』を作った時のことをまとめます。
HSC(Highly Sensitive Child)
娘たちは2人ともHSC(ひといちばい敏感な子)です。
娘が小さい頃から、なんか違う…、なんか大変…という感覚がありました。
後にHSCだと気づいた時は私と異なる感覚の中で生きているから私に理解できないことがあったのだ、世間一般の子育てではうまくいかなかったのだと1人納得し、ホッとしたことを覚えています。
その後、私自身もHSP(Highly Sensitive Person)であることに気づき、私もか!と更に納得しました。
ちょっとした音や匂い、味に敏感で、人のざわめきや、表情に疲れてしまいやすいこともあり、長女は小学校3年生、次女は保育園の年少さんから行き渋り→不登校・不登園へとそれぞれ進んでいきました。
不登校・不登園をきっかけに自分の価値観や育て方を大きく見直して、娘たちへの関わり方を変えることができた私は子どもを一歩離れたところから見たり、自分自身を客観的に見ることが少しずつできるようになり、今の娘にとって、自分にとって必要なことは何かも見えてきました。
たとえば、
”今は突き放す時ではなく、受け入れる時なんだ!” とかです。
母の疑問と不安
私自身は、自分と娘のことを整理しながら、良いことも悪いことも理解し、受け入れることができてきました。
それはずっと娘の行動や感情を観察し、自分が持つ固定観念に気づきながら寄り添ってきたからです。
しかし、当然ながら保育園や学校は出席していない娘のことをそこまで理解できていません。
もちろん、みなさんプロの先生なので出席したら寄り添っていただけるでしょうが、普段見ていない子を即座に理解しろというのも難しいでしょう。
次女が保育園を卒業し、小学校入学する時に保育園から小学校に申し送りをすると園の先生にうかがいました。
でもその内容は私にはわかりません。
園に出席していない娘のいったい何を申し送りしてくれるのだろうか?
大きな音が苦手なことを伝えてくれるだろうか?
苦手な人がいることを知っているだろうか?
不登園だったことを知って小学校は迎えてくれるのだろうか?
そんなたくさんの疑問と不安が私の中にありました。
幸い、小学校の就学時健診(年長さんの秋に実施)で主任の先生と話すことができ、伝えておきたいことがあれば入学前でも時間をとっていただけると言っていただきました。
そこで、冬休み期間に取り組み始めたのが『娘のトリセツ』です。
私が作るしかない!
学校に娘のことを伝える手段を考え、インターネットで検索すると、発達障害の子どもの家庭と学校の情報共有に使うサポートブックが私が考えるものに近いことを知りました。検索すると、自治体ごといろいろなサポートブックがありました。
現在の状況や受けている支援、病院のこと、それから子どもの特性のこと。このような内容を私も伝えたかったのです。
ただ、娘たちは発達障害と診断されていません。HSCというのは障害や病気ではなく、あくまでも性格・気質です。サポートブックのテンプレートもインターネット上で入手可能でしたが、ちょっと内容が違うと感じるところもありました。
『娘のトリセツ』は私が作るしかない!という使命感のようなものも感じ、また、もともと資料作りは嫌いではないのでサポートブックを参考にして自分で作り始めました。
伝えたいことを洗い出し、内容を選定、文字ぎっしりのレポートだと学校の先生も読む気がなくなってしまうだろうと余白も設けつつ、デザインも少し気にした結果、A4サイズで8枚!
内容を絞ったつもりでしたが、伝えたいことがありすぎて8枚にもなってしまいました。
後から感じたことですが、新年度4月1日から入学までの日数はわずかです。
8枚の資料は多忙の先生方にとって多すぎです。何事も失敗から学びますから、これは今後に活かします。
その時のトリセツに書いた内容はこちらです。
プロフィール
医療機関情報
HSCについて(概要)
これまでの経緯
性格・特徴
人間関係図
母の相談先機関
母よりメッセージ
『娘のトリセツ』を作ってみて
『娘のトリセツ』を作った後、当時相談していたスクールソーシャルワーカーさんにも見てもらい、入学前の2月に学校に手渡し、担任となる先生にも読んでいただくようにお願いしました。
担任は入学式当日までわからないので面談を申し込むことができません。
でも、入学式当日から娘はひとり行動をすることになるので、このトリセツを読んで少しでも娘のことをわかっていてほしかったのです。
どれだけの勇気を出して、その場(入学式)にいるかを知っていてほしかったのです。
トリセツを受け取った学校側がどのような対応を検討したかはわかりませんが、わが家の場合は担任の先生に恵まれ、学校は休みつつも意思疎通ができる関係を築けています。
入学時に渡した『娘のトリセツ』は進級時に次の担任へと引き継いでいただいています。
登校した時、娘が苦手なことを強要されることも今のところありません。
その後、小学校不登校だった長女の中学入学時も、長女のトリセツを作り、入学前に中学校へ手渡してきました。
保育園→小学校 だけでなく、小学校→中学校 も、つまり子どものライフステージ、環境が変わる時にトリセツは役立ちます。
『子どものトリセツ』作りをおすすめする理由
同じHSCの姉妹ですが、好きなこと、苦手なこと、その特性は姉妹で異なります。
トリセツを作っている時はその子のことだけをじっくり考え、何を伝えたいかを一生懸命に考えました。
トリセツを作っている時は、自分が娘をどれだけ大切に思っているか、愛しているかを感じる時間でもあります。
娘の苦手なこと、困りごとを考えている時も、その部分を直さなきゃというより、どうにかしてサポートしてあげたい、どうしたら娘にとって楽になるのだろうかと、ひたすら娘の幸せを願って書いていました。
トリセツの内容を考えながら、改めて私ができることも浮かんできたりと子どものトリセツを作ることは、他人に伝えるだけでなく、自分の娘に対する関わり方を見つめなおすこともできます。
HSCは5人に1人があてはまると言われています。
きっと、わが家のように、ちょっとまわりと違うところがあって、そのせいで ”なんか大変だ” と感じている親子がわが家以外にもいるのではないでしょうか。
HSCに限らず、どんな子でもそれぞれの個性を大事にして、伸ばしていくことが必要です。”みんなと同じ” が必ずしも正解ではないのです。
子どもの情報をまとめて、整理することは子どもを感情的ではなく客観的に冷静に見つめることができるので、子どもの小さな成長を感じたり、必要なサポートを具体的に考えることができます。
困りごとが多い親、忙しい親、子育てを手伝ってほしい親こそ、まずは子どものトリセツを作ることで子どもと自分の見つめなおしをしてみてください。
✨『子どものトリセツ』を作るメリットと活用方法はまた別で投稿します!✨
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