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hiragi
刹那星の感性人
昔から、公園でのんびり本を読むのが好きです。
さて、今日は本で思い出すエピソードの話。
サブカルにどっぷりハマっていた学生の頃、
SNSを通じて出会った年上の女性に、
「あなたは刹那星から来た感性人ね」と言われたことがあります。
その言葉の持つ雰囲気と、その時の私へのフィット感とで、言い得て妙な褒め言葉をいただいた気がしました。
そんな言葉をさらっと言える、その方の感性の豊かさに憧れ、たくさんの小説やエッセイを読み漁りました。
その方は、本や映画が好きな方だったのですが、あなたはきっと好きになると思う、と
村上春樹さんの【4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて】というお話を紹介してもらいました。
イタリアンでピザを食べ、その後カフェでコーヒーを飲む。とても素敵な時間でした。
今でも、このエピソードを思い出すことがあります。
私はあの時、自分の人生のあみだくじに線を一本書き加えてもらった。
その曲がり角で新しい世界と出会い、自分では選ばなかったであろう道を辿ることができた。
もう会えないと思うけれど、きっと忘れない。
刹那星の感性人。
私にとって、失いたくない感性の一つです。
根拠や理由を求められがちな世の中ですが、モヤモヤした気持ち、名前のつけられないような心がときめく想い、言葉に表せない感情や感覚も大切にしたいなという私の想いを、人に伝わるカタチにしてくれたお話です。
気持ちを言葉にすることって難しいですよね。
ぴったり、しっくり表す一言が見つからないから、小説や音楽や絵画、芸術というものがあるのかもしれないとも思うのです。