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サンタさん、【ほんやくコンニャク】をください。

「ちょっと待って」はあなたにとってどれくらいですか?

私には、知的障がい/ASD(自閉症スペクトラム)/ADHD(注意欠陥多動性障がい)(精神年齢8歳の16歳)/とADHD傾向/ASD(12歳)の娘がいる。

彼女たちの世界は私が生きている世界とはかなり違う。

例を挙げたらキリがないが、今日は【時間】について書こうと思う。

彼女たちには時間の概念がないように、いや正確には私のそれと違うためにないように感じてしまう。

知的障がい/ASD/ADHD(精神年齢8歳の16歳)の長女さんは、時計が読めない。

何回説明しても、彼女にはそれを理解することはおろか、ただ時計の法則を覚えることさえ難しい。

ADHD傾向/ASD(12歳)の次女さんは、時計は読めるのだが多くの人が共通認識しているその概念は分からないようである。

そして、彼女たちは、何をするにも時間がかかる。

彼女たちといっても、長女さんと次女さんの特徴はもちろん同じではないので、共通しているところを書き出してみようと思う。

理由はいくつかある。

①何かをしようと思ったとき、それを一時的に記憶して遂行する力(ワーキングメモリー)が弱いので、すぐ違うことを始めてしまう。

例えば「歯磨き」の場合。

恐らく、多くの人は数分もあれば終わるタスクだろう。

しかし、彼女たちは、毎回歯磨きのために洗面所へ辿り着くまでにかなりの時間がかかってしまう。

もちろん、それを回避するために、毎回時間差で歯磨きを促す、違うことを始めそうになったらそれを制止し「今何をしようとしてたんだっけ?」と思い出させる必要がある。

②すべては'儀式'である

こう書くと大袈裟に聞こえるが、私にとって彼女たちの行動に納得するためには、この'儀式'という言葉が一番しっくりくる。

「歯磨き」の続きになるが、

彼女たちは毎回、歯磨き・うがいの回数(うがいの時は水を出したまま)・フロス・舌磨き、とすべて自分ルールがありどれもスキップしたり短縮したりできない。

言い替えれば、「今夜は遅くなったからフロスと舌磨きはお休み」とか「毎日してるから今夜はしなくても大丈夫」といったことは、彼女たちには難しいのである。

③集中できない

これは手先が不器用なことも原因のひとつだと思うが、とにかくすぐ疲れて気が散るし、うまくできないとイライラし始めて結局時間がかかってしまう。

彼女たちに、「早くしなさい」とか「急いで」という声かけは意味がない。

それどころが、事態を悪化させるだけだ。

というわけで、何をするにしても、とにかくいつも時間を逆算して、私か夫さんが彼女たちの行動を援助しなければ、永遠にタスクが完了せず時間だけが過ぎていくというのが、我が家の日常である。

一般的に、ASDの子どもはルールやルーティンを好むのだが、知的障がいでADHDの特性が強い長女さんと、ADHD傾向で納得したことしかできないASDの次女さんは、理由は違うがとにかく行動の定着が本当に難しい。

そして、やっと本題の【ほんやくコンニャク】(笑)

彼女たちは、よく「ちょっと待って」と言う。

そして、それから何十分もかかるのは日常茶飯事。

時間の概念が私のそれと違う彼女たちにとっての「ちょっと」は、私がこれくらいと思うそれとは全く違う。

その「ちょっと」にどれだけ泣かされてきたか。

毎朝の登校や誰かとの約束など【時間】を守るために、私も夫さんも何が起きても対応できるように、いつも余裕をもった行動を促さなければならない。

せかしても怒っても仕方がない。

彼女たちの世界を理解することは、時に本当に難しい。

でも、理解したい。


---だから、

サンタさん、どうか彼女たちの言葉を私と同じ言葉(同じ概念)に翻訳してくれる、ドラえもんの【ほんやくコンニャク】をください。

ご縁に感謝。

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