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正解がない世界の本の話

何を読んだらいいかわからない、と言ったあなたへ、私の好きな本の話をしよう


5月ってこんなに暑かったのでしょうか。
でも、夜のひとときに窓を全開に開けると、スッと気持ちの良い空気が流れ込んでくるのを楽しみにしています。

あなたはピアノやヴァイオリンとか、楽器を習っていたことはあったっけ?
私は音楽を、学校以外で習ったことはないの。
子供の頃に父の仕事場の同僚さんから、お嬢さんがピアノを教えているから、習ってみない?とお声がけいただいたことがあった。
でも小さい私は、ピアノはみんなが習っているから嫌、って答えたのよね。今にしてみれば、習っとけー、って本当に思う。

私は音楽に詳しくないけど、音楽物のドキュメンタリーを観たりするのは好き。コンテスト出場者を追ったものなんかも、興味津々。
クラシックもたまに行くのよ。
あの天井の高い空間で、音がパーッと広がっていくのが、とても心地よいから。

もちろん音色というものは、目では見えないよね。楽譜という形はあるにしても、それを聴こえる、感じることのできるものにしたものは、目には見えない。
でも、ピアノや楽器が出てくる小説も結構あるんだよね。

恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」もその一つ。
国内のとあるピアノコンクールでの出来事。
当然コンクール中にピアノを奏でる場面はあるし、練習してるところも出て来る。
音は見えない。どんな音楽が流れているのかも。
私はその曲名を見てもどんな曲なのかは分からない。
でも、なんか面白いんだ、これが。

見えないのに、感じられるわけではないのに、どこかで聞こえているような、その音楽を聴いて、感じているような気持ちになる。
よく原作ものが映像化されると、思ってたのと違う!っていうことがあるけれど、これも一緒で。
彼女ら彼らがどんな音楽を奏でているかは分からないながらも、なんとなく感じているんだよね。

結果的にこの本は映画化されたけど、個人的には映像化された中では珍しく、よくできてる方だなって思った。
出てきている人がそれっぽいのよね。

映画化では当然、それぞれのピアノが披露されていて。それはなんとなく、それぞれの登場人物の演奏として似合っているような感じがした。
音楽にもっと詳しい人は、どんなふうに感じたんだろうなぁ。
でもそれすらも、正解ではないからね。
私の答えは、私の頭の中にしかないよね。

たまにはそんな、なんの正解もない世界の本も、楽しいなと思うんだよね。
実は恩田さん、バレエの本を書かれてて、それもまた見えないしよく知らない世界。
読んでみるのも楽しみなんだ。
あなたも、全く身近じゃない、よく知らない世界の本を読んでみるのはどうかな?
ではでは、またね。

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