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『自分はいない方がいい』と感じる:がん治療の孤独と心のケア

がんや長期治療が必要な状況にあり、「自分なんかいないほうがいいのでは」と感じてしまうことがある。もしそのような心でいるなら、孤独で苦しいですよね。

ではどうしたらその苦しみが和らぐのか?
今回は心の苦しみへの対応をお伝えしていきます。


1. 頑張ってきた自分を思い出すこと

家族のことを最優先に考えていませんか?
だから「自分なんかいない方が家族のためになるのでは?」と感じてしまうのではないでしょうか。

まずは、ここまで自分がどれほど頑張ってきたかを思い出してみましょう。

病気になる前、あなたは家事や育児、仕事をこなしていたのでしょう。家族に健康でいてほしい。笑顔で過ごしてほしい。その想いから、頑張って毎日を過ごしていたのではと思うのです。

ところがそれが今は難しくなってしまった。
「やってもらって申し訳ない」「ガマンをさせているのでは・・・」という気持ちにもなりますよね。役割が変わったと感じているかもしれません。

そうだとしても、あなたの価値や存在意義は何も変わりません。
あなたがいる。それだけでご家族にとっては希望であり、幸せな時間なのです。



2. なぜそう感じるのかを見つめる

「自分がいない方がいい」と思うようになったのにはなぜでしょうか。

まず、その理由を客観的に見つめてみることが大切です。
紙に書き出してみるのが1つの方法です。ですが一つ注意があります。
いまあなたが「もう消えてしまいたい・・・」と思っているのなら、この作業は一人ではせず、心の専門家と一緒に行いましょう。

ここでは方法を簡単にお伝えしますが、流れを確認する程度にとどめておくとよいかと思います。

まずはじめに、なぜそのように感じるのかを書き出していきます。
自分の気持ちを整理することで、思い込みや誤解があること気が付いていけます。

たとえば、「子どもと遊べないから自分は母親として失格だ」と思っているなら、言葉のまま書き出します。


そしてもしここで専門家がいれば、あなたに問うかもしれません(私はご質問すると思います)。

「母親としての価値は遊んであげることだけででしょうか?」と。

あなたは何とこたえるでしょうか?


小さな「できないこと」ばかりを考えてしまうと、大切なことを見落としてしまいがちです。自分を責めるのではなく、少しずつできることに目を向けてみませんか?

日々の中で、家族の笑顔や小さな出来事に気づくことはとても大切。
ありふれた日常の中に、あなたがいるから安心して笑顔で過ごせる。「また明日も頑張ろうかな・・・!」となれるのです。
あなたの存在は、あなたが感じているよりとても大きなものですよ。


3. 誰かに頼ることを怖がらないでいい

時には眠れなくなったり、日常生活に支障をきたすほど心が疲れてしまうこともあります。もしそのような状態が続くなら、主治医や心の専門家に相談してみませんか?

がん治療は身体だけでなく、精神的にも大きな負担を伴います。そのため、心のケアも非常に大切になります。医師やカウンセラーに話すことで、心の重荷を少しずつ軽くしていくキッカケになります。

特に日本人は心のサポートを求めることは弱いからだ、と思う人が多い傾向です。だから最初は抵抗があるかもしれません。
でももし、この心のケア・サポートを受けてあなたの心にゆとりが生まれたら?笑顔が生まれたら?あなたはどんな時間になるでしょうか。

あなたの心のゆとりはご家族にとっても安心感につながります。何よりあなたが心穏やかに過ごしている姿は、ご家族にとっても幸せだったりします。

一人で頑張ってきたあなただからこそ、これからは周りに頼って心を楽に過ごしていきましょう。




あなたの存在そのものが、ご家族にとって何よりの支えであることを忘れないでくださいね。
ご自分を責めることなく心のケアを取り入れて、これからのあなたの大切な一日一日を心が楽に穏やかに過ごせますように。


ご家族に心配をかけたくないから、一人で抱え込んできた、ため込んでいるよという方は、一度お話しに来てみませんか?お話をするだけでも心がスッと軽くなったり、考えや想いを整理できます。
治療や経過、これからについての不安なども安心してお話くださいね。

診断や治療方針の決定などは致しません。予めご了承ください。

誰かに頼る、その一歩になれれば幸いです。


かかりつけナースカウンセラー
岡田聡子


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