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抗がん剤治療中の体力低下から少しずつ元気を取り戻すヒント

思いもよらない癌という宣告、想像していたのとは違う治療と経過かもしれない。その中で、「思うように動けない」「子どもたちのために十分なことができない」そんな思いもつねに心のなかにあり、時に情けなさや無力感でいっぱいになることもあるのではないでしょうか。

何をするにも頑張ってきたあなたが、無理なく体を動かしていけるヒントになるように。少しずつ前に進んでいくキッカケになれば幸いです。



1. 抗がん剤治療による体の変化

抗がん剤治療は標準治療と呼ばれ、一定のガイドラインにそって進められています。同時に、抗がん剤治療による体力低下は、年齢や性別に関係なく誰にでも起こりうるものです。もちろん元々の基礎体力や基礎疾患、年齢などもあるかもしれません。そこは医師が考慮して抗がん剤の量を調整しているので安心してくださいね。

そして、治療中の副作用には個人差がかなりあります。
例えば一般的な副作用:吐き気、だるさ、口内炎、皮膚の変化、脱毛、便秘、下痢、食欲低下、末梢神経障害、爪の変化、むくみ、肝臓や腎臓への影響、易感染状態、貧血、出血しやすくなる など

使う薬の種類や組み合わせによっても変わります。また、手術なども行っている時はその影響もありますよね。

そのため、体力の低下と言っても感じ方にも個人差があります。ご家族にもこの辺りの理解があると、周りと比べることなく日常を過ごせるようになっていくかと思います。


2. 日常生活での小さな変化を大切に

治療により、「思うように動けない」「子どもたちのために十分なことができない」といった思いは、入院中でも在宅で過ごしていてもあるものです。

この体力の低下の原因は、がんなどの病気そのものからくる倦怠感、治療の副作用によるもの、精神的な影響、これらの影響により横になって過ごしているため筋力の低下、筋力の低下により姿勢の保持が辛くなる、辛いから動かなくなる・・・
といったように、体力の低下ループが起きています。

そこでこの体力低下のループから抜け出すために必要なのがこちら。
「運動」の定義を変えること。

あなたにとって「運動」にはどんなイメージがありますか?

いわゆるジョギングができたり、元気に散歩ができる、筋トレができるといったものでしょうか。治療中の「運動」とは、汗をかくほどの激しい運動だけが運動ではないのです。

例えば、ベッドから起き上がれない日は、座っているだけでも立派な運動になります。座ることで足の裏などに筋肉刺激が伝わっていきます。このように、少しずつ負荷をかけていくイメージを持つことが大切。

例えば、ベッドに座れた→椅子に移れた→短い散歩ができた、という動くことの変化。
洗い物ができた→食事作りから片付けまで動けた→お子さんがいればお子さんの宿題をみてあげられた、という日常の変化。
このような小さな変化を一つずつ積み重ねるから、体力がついていきます。

また、日常の中の運動は体力の向上だけでなく、気分転換にもなります。お庭やベランダで風にあたる、外に散歩にいけるようになるだけでも同じ景色が違ってみえます。
その時の五感をフル稼働させて「いま」に集中してみる。そうすると心にゆとりが生まれるキッカケにもなっていきますよ。


3. 心のケアと周囲のサポート

何事にも無理は禁物です。体調の良い日、悪い日の波があるものと思っていてください。だからこそ「今日はここまで」と自分で決めて、ゆっくりと日々積み重ねていくことが大切になります。もちろん動けない日があるかもしれません。そんな時もあるのだと予め知っておくだけで、心の準備は違うものです。

それでも気持ちが辛くなったとき、辛いな~というのが続くときは、遠慮なく主治医や看護師、カウンセラーなど専門家に相談をしてください。お一人で頑張ることほど自分を追い込んでしまうことはありません。
どうかお一人で抱え込まず、過ごして頂ければと願っております。



動けなくなると「あぁもうダメかな・・・」と、気持ちもふさぎ込んでしまいやすいもの。もちろん、病気の進行具合や治療状況によっては、動くよりも体を休めているほうがいいこともあります。
いま、あなたの状況はどうなのか?運動が心配な時は、遠慮なく医師や看護師に聞いてみるのはどうでしょうか。
心のケアをしていくことで、動けるようになっていくこともあります。

誰かに話を聴いてほしいな、この状況をわかってほしいな、一人で頑張るのは疲れてきたな・・・という時は、お話に来てみませんか?
お話をするなかで気持ちが整理されたり、思いもよらないあなたの欲求がわかったりするものです^^

または、https://resast.jp/inquiry/123004  まで


あなたの心と体に少しでもパワーになれれば幸いです。

かかりつけナースカウンセラー
岡田聡子

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