さらしの効果とコルセット・バンドなどとの相違点
古今整体室では妊産婦さんやギックリ腰をされた方などにさらしを腰に巻いて頂くことがあります。
さらしを巻くことの目的は骨盤(特に仙腸関節)と股関節を締めて安定させることです。
骨盤部を安定させることで胎児の安全な生育環境の維持や腰痛の軽減、腰部可動域の増大、姿勢の改善などさまざまな効果があります。
さらしの大きなメリットは圧力をかけたい部位とかける圧力の微調整ができることです。また木綿でできているので長時間地肌に付けていても蒸れたりかぶれたりしにくいことです。
コルセットやバンドなど腰に巻く物は他にも色々とあります。
コルセットは腰椎や腰背部の筋肉をサポートすることを主目的としていますが、筋肉をサポートするということは長いスパンで見ると筋肉の弱化に繋がります。生体というのは使われない部位は不要と判断し退化消失させていくものです。
腰椎や腰背部の筋肉を強く損傷した際の一時的使用や肉体労働や運動時のみの使用にとどめ日常的な使用は避けるべきです。
またコルセットは腹部を圧迫する物が多いですが、腹部には腹腔といっていわば風船の様なものが容れられています。
ある部分に圧力が加わり凹むとその他の部分は膨らまみます。腹部を圧迫すると圧は上下に逃げます。上方に逃げた圧は横隔膜を押し上げ呼吸を浅くします。下方に逃げた圧は骨盤を内側から押し広げ骨盤の不安定性を高めます。
ですからコルセットというのは視点を広げて見ると非常に弊害が大きい物です。
妊婦さん用の物なども多く見られます。保温性や安心感といった利点はあると思うのですが、商品を選ぶ際には細心の注意が必要です。腹部を圧迫しない物を選んでください。
骨盤部に巻くバンドも色々な物があります。良く考えられていて臨床上の使用にも耐えうる物も中にはありますが、伸縮性の高い物が多く圧力の微調整が難しいです。巻く部位やマジックテープの留め方によっては仙腸関節を離開させ骨盤の不安定性を高めてしまう場合もあります。
またコルセットやバンドは化学繊維やゴムでできている物が多いので蒸れやすく地肌に当たるとかぶれやすいというデメリットもあります。
さらしは巻き慣れるのに時間がかかることとお手洗いが少し面倒であるというデメリットはありますが、効果という点で考えた時、結局は一番良いのではないかと思います。
是非皆さんに必要に応じて巻いて頂けるようになったら良いなと常々思っています。
さらしは白ばかりですが、以前から興味があった草木染めで
玉ねぎの皮で黄色に、インド茜で朱色に染めてみました。
思っていた以上にしっかりと染まり、自然な色合いで巻いても心地よさそうです。
他の色もこれから試してみます。
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