ろうそくを吹く息は、2人とも力強かった。

4月からの、オルタナティブスクール通学できるかどうかの合格通知がきた。

大人からすれば、ホントは形だけ。
改まって、振り返りや思いを確認し合う場所。

子どもからすれば、合否のある、自分を表現する場所。

チャンスであり、ドキドキである。

面接は思った以上に兄は話した。
思った以上に妹は恥ずかしがった。

合格通知のメールが届く予定の夕方。

妹はそわそわ。
「合格じゃなかったら…」と。
兄は言う。
「俺はやった。心配ない。」

妹は、自分を出せなかったという経験。

この面接中、今までならその空気をフォローしている私。
「緊張してるんだよね」
「この子はもっと考えてて…」と。

しかし、今回は違う。
私の出番は、私に聞かれたことだけ。

言いたい気持ちをグッとこらえる。
手を差し伸べない、寄り添うだけの選択。

本人の言葉を待つ。言えなくてもいい。それも経験。

だから、本人も自分と向き合い不安を感じられた。
心に余白のある生き方だ。

面接があったことで、一度立ち止まり、馴れ合いでなく気持ちも整い4月からのスタートになるだろう。

こっそり急遽スーパーで買ったおめでとうケーキも。
主人と急遽お祝いだと決めた。

誕生日は1年経てば来るがこんなにケーキが輝いて見えた日はふたりは初めてだろう。

ろうそくを吹く息は2人とも力強かった。

善き家族の絆をくれた面接という経験だった。

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