そのままでいい。そのままがいい。
「ななえさんは、ほんとずっとそのまんまでいてほしいなぁ~~~」
何気ない会話の途中で、こうちゃんがしみじみと言った。
「そのまんまでいてほしい」
その言葉は、すごくすごく嬉しくて、
でもちょっぴり気恥ずかしくて、
その時は、「あははは~」と笑ってごまかした。
だけど、あとから思い出しては、
心の奥でじんわりじんわり温かくなる言葉だった。
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小学校の先生を退職して、二か月半が経とうとしている。
ふりかえってみると、本当に早くて、濃い時間だった。
「オルタナティブスクールを創りたい」
学校で働きながら、新たな夢に出会い、
できるかどうかはわからないけれど、
とにかくやってみよう!!と学校を飛び出した。
4月になり、縁があって、こうちゃん、ももちゃん、たっちゃんと出逢った。
4人の想いが重なり、
何度も何度も話し合いをするうちに、
「学校を創ろう」という気持ちが固まった。
「子どもたちと向きあう時に大事にしたいこと」
「学校で大事にしていきたいこと」
毎日のように話し合っていくうちに、
「ここのね自由な学校」が生まれた。
「ここのね」には、
「心の根っこ」「個々の音色」「今、ここ」
の三つの意味が込められている。
私たちの心の奥底にある願いから生まれた、学校。
今はまだ、学校の場所も決まっていないし、
もちろん、学校に来る子どもたちも決まっていない。
「ここのね」のロゴも決まっていないし、名刺もない。
Facebookページだって、まだカバー写真すら決めてないから、見た目は真っ暗だ。
ない、ない、ない。ないものだらけ。
だけど、私たちは本当に今、希望に満ち溢れている。
だって、同じ志をもつ、こんなに素敵な仲間に出逢えたのだから。
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これから先、何が起こるかはわからないし、
山あり谷ありだろうことは、容易に想像できる。
でも、4人でそれを乗り越えていくのは、大変そうだけど、楽しそう。
どんな山が待っているだろう。
今はとても、わくわくしている。
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「そのまんまでいてほしい」
学校の先生をしながら、
どんどん自信を失っていた自分にとって、
こうちゃんの言葉は、本当に嬉しかった。
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自他ともに認める「ドジ山ドジ子」である私。
猪突猛進で、やりたいことがあると周りが見えなくなる私。
教育のことで偉そうに言いつつ、子育てで凹みっぱなしの私。
ダメダメな私。
でも、それもまるごと含めて私で、
「それでいいんだ」「そのままでいいんだ」と思えた。
大人になっても、言われたら嬉しいのだから、
子どもたちはなおさら嬉しいだろうなぁと思う。
「どんなあなたでも、まるごとオッケー!!」
「ずっとそのまんまでいてね」
そんなメッセージを
今度は私が誰かに送れたらいいなぁと思う。