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物で愛情を量らなくたっていい

ヨーロッパでは12月は消費活動が一年で最も盛んになって、大きな袋を抱えている人、ショッピングモールやクリスマスマーケットで色々と品物を買い求める人。

そのため財布のスリが増えるから気をつけて…と毎年注意喚起がある。

私は去年クリスマスをイタリアの友人の実家で過ごしたので、そのために何かプレゼントを持参することにした。

その買い物が結構大変で…。

友人のぶんとその彼氏のぶん。
友人の両親と妹のぶんも。
念のため妹の彼氏のぶんも。

人数が多いから一人一人への額は抑えて、なるべく消耗品を。
ボディーソープやらね。
でも、そういうのもそんな安くはない。
全員分で50ユーロは超えた。

お招きされるから手ぶらで行くわけにはいかない、そしてもし相手からプレゼントをもらった時にお返しがないと気まずいから。

自分が困らないために用意して行った。

結果的に、友人の妹が私にプレゼントを用意してくれていたけど、他の人は特別に私に物品を用意してはいなかったので、安心した。

けど当の友人には一番多めにプレゼントを贈ったのに、彼女からは何ももらえなかったことに少しばかりモヤっとした。

でも、このモヤっとする気持ちって本来なら持たなくていい感情なはず。

物をあげなきゃ、というプレッシャーと、あげたら喜んで欲しいと思うエゴと、なんならお返しもほしいと思う見返りを求める心。

これ本当に無駄じゃないか?

選ぶ時も、心からあげたいと思いながらだったり、逆にふと何かを見て、これあの人にあげたいなと思って買うプレゼントはいいと思うけど、

買わなきゃ!と思って買うプレゼントってなんだか惜しい。

しかもそこそこお金かけて贈っても、気に入らなければ使ってくれないし、捨てられることもある。

理不尽じゃないか?

私がもらってすごく嬉しいのは、私とよくショッピングにも出かけて、家も行き来してて好みや性格やライフスタイルを熟知してる人からもらうもの。
好きな色のマニキュアとか、刻印入りのリップとか嬉しかった。

それとか実用性のあるもの。

自分じゃなかなか買わないキャンドルや入浴剤、ちょっと高いボディケア製品とかも嬉しい。

付き合ってる相手からも、特別なプレゼントなんかはまったくほしくないし、消耗品で良いと思ってる。

恋人やパートナーへのプレゼントって付き合いが長くなるほどアイディアが尽きるし、だいたい付き合い始めがピーク。

財布、時計、アクセサリー、鞄…
一通り終わったらもう術がなくない?

どんどんプレゼントの関心が下がったりするとそれを愛情の無さと結びつけて考えがち…。

それで、もらったもののセンスが悪かったり、安すぎたり、自分の好みに合わない物だったら、相手の評価も下がる。

いいことないやん😂

いろんなエピソード聞いたことあるよ。


#エピソード1 : 友人が今の夫と付き合い始めの頃
20代後半の誕生日で、付き合ってしばらくの彼氏がくれたバッグが、バラエティストアで2000円ぐらいで売ってそうな合皮のちゃちいものだった。
彼女は社会人になってからはアクセサリーも本物を買い求めるようにし、ブランドにこだわったりはしないけど質はとても重視する人。
その人柄を見てなぜ彼氏はこんなバッグを贈るのか?と疑問を抱いた。

#エピソード2 : 友人が長年付き合って去年別れた彼氏の最後のプレゼント
自分の趣味のオーディオシステムなどにはお金をかけまくってるくせに、別れる前最後に彼女に送ったのは某ブランドの時計の、中古品。
しかも状態も悪い。
状態の悪い中古を買うぐらいだったらいらない!と突き返したらしい。
それまでに彼女が彼へ贈ってきたものとの価格の釣り合いも取れてないし、あまりに何も考えずに義務的に買ったのが見え見えだと。
国民性的にブランド品やステータスを重んじる彼女と、ケチなことで有名な国民性の彼とでは合わないに決まっている、がそれを置いておいても、プレゼントを最初からし合わない2人だったら、憎しみも少なくて済んだのでは?

#エピソード3 : 家族から不要なプレゼントを下賜された彼
前彼の家にお邪魔したら、床の上にノンフライヤーとタパスセット(小皿いくつかとそれを載せるプレート)が鎮座していた。
実家の両親がもらったプレゼントだけど、使わないからと言って彼にくれたそうだ。
一人暮らしの男で誰がタパスセットなんて使う?
ノンフライヤーなんて、キッチンに置いとくだけで邪魔でしょ…
親も、自分が使わないんなら息子だって使わねーよ…要らないならフリマに出すなりして片付けて、狭い家の一人暮らしの息子に押し付けるなよ。


ありがた迷惑になるくらいならプレゼントなんてしないほうが良い。

それで思うのは、私の母は昔からずっと、「物はいらないからね」と私に言い続けてきた。
母の日も、誕生日も、お土産もいらないからって。
その母の姿勢は、とても的を得ているもので、私も見習うべきだということ。

ある時私はアップルに写真アルバムを注文して(たまにアップルからお勧めされる、カメラロールの写真でアルバム作りませんか?というやつ)母に贈ったんだけど、その当時私は学生で親の援助を受けている立場だったのもあってか
「心遣いは嬉しいけどこれ、(親の金使って余計な物買って)無駄かな…」という反応だった。

当時はムッとしたけど、今考えるとわかる。

母は昔から一貫してミニマリストだったことにいつからか気づいた。

写真やアルバムは、捨てづらいものの代表作…。

だから、嬉しいは嬉しいけど場所もとるしいつか処分する時に困るから。

また彼の家の話に戻るけど、何ヶ月か前の段階で家におじゃました時に、壁にそこそこでかい額縁のフォトコラージュが立てかけてあるのを見た。

18歳の誕生日に母からもらったものらしく、小さい時からの家族写真や、幼なじみの女の子や初めてのガールフレンドとの2ショットも入っている。

それから何ヶ月経ってつい数週間前に訪れた際もずっとその位置にぞんざいに立てかけてあるから、「これどうすんの」と聞いたら

「母からもらったやつだから捨てられない。だけどどう考えても絶対壁には掛けない」と言う。

はあ…もう揃いも揃って!マキシマリストか…

日本の片付けの本でも読んでほしい。

だから私は「地下倉庫にしまえ」と提案した。

ただでさえスペースが限られてるワンルームの部屋なんだし、余計なものにスペース取られてるの、バカみたいじゃん。

しかも、毎日目に入るところに、好きでも何でもないものを無意に置いてる神経もよくわからない。

部屋が狭いからこそ嫌でも目に入るんだし、いらない物を置いとく余裕ないはずでは?

でも、一緒に住んでるわけでもないし、彼がよければそれでいいけど、あまりにも無頓着じゃない?


私の母は、掃除と片付けが板についている。
たまに必要なものや思入れのあるものも捨ててしまうぐらい。
自分にとって必要ないと思えば容赦なく捨てる潔さがあり、さっぱりしていて物にあまり感情移入しない。

タンスはスカスカで、服も靴も必要最低限。
身につけるものはとても少ない。
冬の上着なんかも全部軽くて肩が凝らないもの。
ハンカチや靴下はそこそこ量があるのは、場所を取らないそういう小さなところで遊び心や癒しを取り入れてるからだろう。

自分で管理できる量を把握していて、新しいものを買う時は古いものを処分する。

片付け本を読むまでもなく、何十年も前から母はミニマリストだった。

物が多くなりがちな私にも常日頃注意し続けている。

私は、全部必要だもん!と思って聞き流していたけど、30代半ばの今しみじみわかる。

母、正しい。
時代が母に追いついた感がある。

自分が持てる量は、せめて全て自分が選んで納得したものにするべき。

だから、特に欲しくない誰かにもらったプレゼントのための場所はない。

だから、この前彼にもらったスペインのお土産が美術館のポストカードだった時、とっても嬉しかった。

場所取らないけど、壁にぺたっと貼れば思いを馳せることができる。

私は、自分が欲しいものは自分で入手するから、プレゼントしてもらうことを需要視しないなー。

残念ながら、多くの女性はプレゼントのあるなしやその価値価格で相手と愛情を判断しがちだよね。


そういえば、先週一緒にヘルシンキに行った友人は、プラダのダウンコートを着ていたんだけど、履いてたムートンブーツはなんとプライマーク。

UGGかと思いきや…。

プラダのダウンコートは、紐彼氏が投資で当てて一年潤ってた時にプレゼントでもらった、言わば夢の跡というか燃えカス…。

持ってる普段の服はプライマークやシーインの彼女。
別に彼氏にプラダをねだったわけじゃなかろうに。

それを贈れば彼女が喜んでくれると考える、浅はかだな…。


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