外食は贅沢!となりうる国
先日スイスの友人を訪ねた時、会っていない4年の間にかなり色々な出来事が彼女の周りには起こったということがわかった。
前まで彼女はスイスの首都ベルンに住んでいて、そこにはオーストリア時代に出会って以来付き合っているドイツ人の彼氏も一緒だった。
学生を終えてスイスに戻ると彼女が決めた時に彼も一緒についてきたわけだけども、そもそもオーストリアに転職しに来たのに彼女にとりあえずついて行くタイプの男性なのである。
それからスイスの首都ベルンの街中のアパートで、2人とも飲食店で働きながら過ごす年月が続いていたんだけど、
前回会った時(4年前)私の友達は、出身地のロマンシュ語を活かしてベルンのカルチャーセンターでロマンシュ語の講師を始めたところだった。
彼女はかなりの連絡不精なのでだいたい私からいつも連絡するんだけど、今年ふと思い立って連絡したら、彼女はベルンから越してルガーノ在住になっていた。
ルガーノは、私たちがグラーツの大学で一緒になる前に彼女が音楽院に通っていた街。
彼女はずっとルガーノに戻りたい気持ちがあったらしい。
引越しできた理由は、今やロマンシュ語講師だけで生計を立てているんだけど、その仕事は全てリモートでやっているからなんだそう。
またベルンには以前仲良しの実妹も住んでいたけど、妹は地元の村で兄と開業医をすることになり(友達は音楽家だけど、他の兄妹は医者)
ロマンシュ語を話す村、ルガーノからは1時間半ぐらいのところに引っ越したため、
より家族に近い場所が良かったのもあるみたい。
ルガーノはスイスだけど、イタリアとの国境に面していて往来が激しい町。
バスでマルペンサ空港に行き、そこに車で迎えに来てくれた友達は、近況に加えてこれまでの経緯を話してくれた。
ベルンにいた間、私の記憶上ではほぼ毎回失業中か風来坊だった彼氏は、投資で一発成功してお金持ちになり、豪遊したんだけども、
結果的に酒・薬物中毒になり、人間関係を台無しにし、稼いだお金も貯められず、最終的に借金を抱えてしまったそう。
人格が変わって荒れまくって、友達も怖さを抱えていたみたい。
それでも別れたり見捨てることなく。
彼氏が裕福だったのは1年間。
プライベートジェットを借りたりして豪遊してた…からの無職。
それから一緒にルガーノに引越したのが1年半前で、それから彼はずーっと無職。
生活費は友達が2人分を負担し続けたそうな。
ベルンと違ってルガーノはイタリア語圏なので、ドイツ人でイタリア語ができない彼は就活が難しく、
その前は起業していたので、失業保険対象外。
スイスでは、婚姻関係になくても同居関係にある人物のことを扶養する義務があるそうで、
一緒に住んでいると生活保護的なものも受けられないそう。
だから、友達は彼氏の生活費をも負担し続けた。
それがさらに婚姻関係になると、税金も上がるし何もメリットがないそう。
そりゃわざわざ結婚しないよな。
失業状態が長かった彼は晴れてフランクフルトの投資会社に就職することになり、月の半分くらいをフランクフルト、半分をリモートでスイスで過ごすように折り合いをつけたよう。
ちょうど私が訪ねた時には新しい会社での仕事を始めて、リモートで仕事をしているのを見た。
この1年半、四六時中家で一緒だったからしばらく離れるのが息抜きになる、と友達は言っていた。
その話の中で、2人はもう長いこと外食に行っていないと言っていた。
これが本題。
私が滞在していた間も全部家で用意して食べたし、カフェにすら行かなかった。
工夫して料理してる感じだった。
スイスで外食するのは、本当に高い。
バーガーキングのセットだって20フランは軽く超えるし、何年か前にチューリッヒでランチした時も1人50フランはかかった。
大人2人でディナーなんか行くと、きっと100フランじゃ済まないだろう。
だからそこのところを節約するのは必然的な流れなんだと思う。
物価が高いスイスも、食料品はあまり高くつかないし。
そもそも物価が高いイコール収入も高いから生活は成り立つんだけどね。
友達から外食にずっと行っていないという話を聞いて、どれだけこれまでの1年半が大変だったのかなと実感してしまった。
私と会わなかった4年のうち3年ぐらいは、精神的に大変な時期だったんだな、だから会えなかったっていうのもあったのかも。
これからは友達にとって良い状態が続くことを願う!
外食について。
私は普段オーストリアで慎ましく暮らしているから外食にほとんど行かないけど、行きたい時はランチの時間にしていて、そうするとだいたい20ユーロ前後で済む。
ケバプとかファラフェルとかも好きなんだけど、ケバプ一つ買うのももはや6ユーロ7ユーロの世界になって、もう手軽に食べる安い食べ物ではないのだ。
だから外食するのは、住んでいるところを離れて旅行に行った時の楽しみ、と基本的にはしている。
人と食事に行くのも月に何回もは行かないようにしている。
日本だと本当に恵まれているのは、外食の価格帯選択肢がものすごい広いこと。
低価格帯、例えば私は王将が大好きなんだけど、家族4人で行っても一人当たり千円ぐらいで済む。
出来合いのものの選択肢も広いから、中途半端に自炊するより安く済むのは言えてる。
外国に住んでいることで、食べたいものがあれば自分で作り出すしかない状況に置かれたため、
自分でキムチ漬けたり、沖縄そばを一から(つゆ、麺、肉、かまぼこ)作ったり、中国式餃子を皮から作ったり、巻き寿司やキンパを安定して上手に作れる技術が身についた。
スイスで友達の家に泊まった時も、手巻き寿司をして、その中で巻き寿司の作り方を2人に教えたらとても喜んでいた。
外食の選択肢が狭ければ狭いほど、料理の腕が上がる良い例だと思う。