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次の人に譲れる”古さ”の定義
私の住んでいる集合住宅の地上階の入り口にはテーブルがあって、たまにそこには住人が”ご自由にお持ちください”という意味で物品が置いてあることがあります。
食器だったり本やおもちゃだったり。
私もこの前、前の勤め先のロゴがデカデカと入っている未使用のスーツケースをそこに置いておいたら、数時間後にはなくなっていました。
地下にも出入り口があって、そこには自転車置き場とゴミの集積ボックスが置いてあります。
私はその地下の出入り口を利用することが多いのですが、
今日外出する際、かなり古びたどちらかというと年配の趣味の靴が3足と、運動靴、健康足踏みステッパーなどが、集積ボックスの中には入っていない状態で地面に置いてありました。
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靴はだいぶくたびれているし、女性もののパンプスは横に広がりきっていて、インソールもボロボロ。
これは直で燃えるゴミに入れてしまえばいいのに、というレベル。
そうしないで地面に丁寧に置いてあるということは、そこに置いた住人はこの靴を誰かがもしかしたら欲しがるかもしれないと、思っているのか・・・。
古くからフリーマーケットは存在しているし、古着を買い集める人もいるし、
昨今はオンラインのフリーマーケットも世界中どこでも存在しているので、自分の衣服や持ち物を捨ててしまわずに売ったりすることは誰もが考えること。
そして、自分が使わなくなったものをお下がりとして人にあげたり、見ず知らずの人のために”ご自由にどうぞ”とすることは、それを望んでいる人にしてみればとてもありがたいこと。
ただし、お古をありがたがるのはそれを求めている人だけです。
頼みもしないお古を人にもらって、困惑したことはありませんか?
私は、いつだったか付き合っていた人のお母さんが、郷里のお菓子などを宅急便で送ってくれたことがあって、その中に彼女のブラジャー?水着?が入っていました。
下着を人にお下がりであげるという発想がなかったので驚いたし、すごくカップが小さくて、「あの、私こう見えても結構胸ありますけど」という戸惑いもありました。
(体型的にあまり巨乳には見えないので下着のプロ以外には小さく見積もられることが多い)
新品でもなく、どうみても着古し・・・。
なんでそれを人にあげようと思ったのでしょうか?
その彼のお母さんからは、お古のスキーウェア一式ももらって、それに関しては私はこだわりがないし、あまり使わないのにあえてお金を出して買いたくもない類の物だったのでとてもありがたかったです。
自分にとっては思い入れのあるものでも、他人からしてみたらその価値はわからないし、最近はフリマサイトでその品物の需要をあらかじめ探ることができるので便利かなと思います。
基本的に私は中古の服は買わないし、特に上に羽織ったりする物ならまだしも、直接肌に触れる物や靴は中古で買おうと思いません。
でも、中古であってもドク◯ー・◯ーチンや某イギリスメーカーのブーツはかなり高い値段で売れて、やっぱり元の値段が高いから新品にはなかなか手が届かないけど、というブランド品は不要になった時に売れやすいですね。
私が好きで集めて着ていた何着かのプレイ・コ◯デギャ◯ソンのTシャツも、メルカリで売ったのですが
出品している私を見て、ブランドに疎い母と祖母に「そんなくたびれたTシャツ誰が買うんだよ」と言われましたが、
数千円ですぐに売れてびっくりしていました。
需要があるものは、色褪せやくたびれていても売れてしまう。
物って不思議。
付加価値をつければお金を出しても次の人が手に入れたくなり、
逆に、頼まれても押し付けられて迷惑なものもある。
特に処分にお金がかかるような大きなものは、誰かがもらったり買ったりしてくれると助かります。
以前東京から引越しした際、電化製品やプリンター、ブランド鍋、マットレス、アロマディフューザーなどありとあらゆるものをジモティーやクレイグスリスト(外国人ユーザー向け)で売ることができました。
全部その日か次の日に引き取りに来てもらう形で。
最近もオーストリアでよく使われているWillhabenというサイトで、以前ディスカウントショップで買って使い道がなかったカセットコンロ用のグリルプレートを売れたし(買ったはいいけどすぐその後に日本から友人が上等なグリルプレートを買ってきてくれたので)
こちらで買ったメーカーの服はVintedに出すとまあまあ売れます。
(だいぶ安くしないと売れないけど)
ユニクロはここ数年イタリアで特に人気で、出せば絶対売れるくらいです。
売りに出す時に、なるべくトラブルが起きないように使用感を感じる部分の写真を撮ったり、一言付け加えておくように気をつけます。
自分にとってはまだ綺麗に見えても、他人からはそう思われないのが基本だと思うようにします。
今日地下に置いてあった靴も、そこに置いた人からしてみればまだ綺麗なのかもしれませんが、これに足を入れたい人がいるのか?という状態でした。
服や靴をリサイクルに出すこともできますが、それにしても破れたり汚れたりしていないものが原則です。
ましてやインソールがボロボロになっていて、裸足で履いたかもしれないパンプスなんてゴミにする以外の選択肢はないでしょう。
世の中には物で溢れていて、捨てる人もいればそれを拾う人もいますが、処分するにしても礼儀を持って、最後までその物に接するよう肝に銘じたいです。