滞在許可、どれほど大事?私の中国人女友達の場合
2ヶ月前、待望の永住権を取得して私は心の中で高らかに祝杯を挙げた。
滞在許可は何をするにしても大事な、移民である自分にとっては最重要事項であって生命線でもあるから、もちろん平日の午前中しか移民局が開いてないんだったら仕事に行く時間を遅らせてでも行くし、持ってる滞在許可の有効期限が切れてしまう時に国外に出たりとかはしないよう考慮する。
こないだ8月に日本に行ってきた時、まだ有効期限は1ヶ月あったけど、
ミュンヘンの空港でパスポート検査の時に
「期限近いけどもう更新手続き済んでるの?」って聞かれたし。
それはそれは大事で、運命を分けるというか
仕損じると人生が変わってしまう滞在許可。
そういうもんだと思ってたし、今もそう思ってる。
幸い私の住んでいるオーストリアの州では移民局は予約なしで、平日の午前中にプラっと行って並べば長くても3、40分ぐらいで順番が回ってきて申請も受け取りもできる。
学生の時住んでたオーストリアの別の州では、申請はプラっと行って番号発券して待って、受け取りは日付が決められてたな。
知ってる人に、ウィーンでずっと滞在許可を申請中でまだもらえてないから、1年ぐらい国外に出られていないって嘆いている人もいたな・・・。
大きな都市は、移民の数も多いので予約制だったり、順番もなかなか回ってこないとかっていうのを聞く。
私も12年前にベルリンに住んだ時、滞在許可を申請するために移民局のウェブサイトから電子予約を入れたら、割り当てられた予約日が2ヶ月後だった。
日本からヨーロッパに入国してから、シェンゲン国だと3ヶ月が旅行ビザでいられる期間なんだけど(オーストリアは6ヶ月)
その予約日だと3ヶ月の滞在期間を1ヶ月ほど超えている計算だ。
すぐにメールで、その日だともう3ヶ月の滞在期間超えちゃってるんですけど?
予約日を早めてくれませんか?と問い合わせたら
「滞在許可申請の予約を入れた時点で、あなたの滞在可能期間は保証されているから大丈夫だ。割り当てられた予約日に来てください」
という返答があって、半信半疑だったけど本当に問題はなかった。
私は留学当初オーストリアに住んだんだけど、当時オーストリアでは大学に学籍があるもしくは入学許可が出てないと滞在許可が降りなかったので、
渡航後すぐに大学に合格できなかった私はひとまず落ち着いて滞在しながら受験活動ができるように、要件の緩いドイツに転居したという経緯があるんだけど、
厳しいオーストリアと違ってドイツはかなり、、奇想天外に感じた。
私は難なく2年の学生準備ビザをもらえたけど、周りの留学生で1年しかもらえてない人もいたし、半年しかもらえてない人もいた。
交渉力というか、運じゃね?としか思えなかった。
私にはビザでいくつかエピソードがあるんだけど、今やいい思い出だわ。
時は経ち、学生ではなく社会人として、移民用プログラムの労働許可付き滞在許可(赤白赤カード)で5年が経過したので永住権を申請できて、無事取得できた。
失業中の6月に申請して、ハラハラしてたけど予定通り9月にもらえた。
私には、ベルリンに住んでいた時に出会った1つ年上の中国人の女友達がいて、彼女は私より1年前から渡独していて、大学院を終えてからしばらく起業してたけどそれを一旦やめて数年前からはドイツ企業の中国に関連するビジネスに携わっている。
ちょうど彼女も今年が永住権を申請できるタイミングということで、3月には書類を申請したらしい。
途中日本に帰っていた私と違って彼女はずっとドイツにいるし、仕事してる期間も長いのにもっと早く永住権申請できなかったの?と聞いたら
起業していると雇用保険を払っていないため、その年数は永住権の要件である5年の就労には当てはまっていないのだと言う。
だから、純粋に会社員として雇われて、給料からごそっと差っ引かれている状態で5年を過ごしてからでないと永住権は取れないと言うことで、
彼女にとっては今年で5年と言うことだった。
奇遇にも、私たちはオーストリアとドイツそれぞれでほぼ同時期に永住権を申請するわけなんだけど、そこで違いが出た。
私が6月に申請して7月には許可され、9月に受け取れた間に
3月に申請してから11月の今現在、彼女はまだ永住権をもらえていない。
しかも、謎に弁護士を雇っている。
まず、ベルリンでは前述のように滞在許可を申請・更新するには移民局の予約が必要で、しかもなかなか取れない。
3月に彼女が申請しに行った時、会社から発行してもらう書類が欠けていて、それをもらって再提出しに行くのにもかなり時間がかかっていた。
6月に私が彼女に会った時聞いたのは、彼女はベルリンの移民局から7月下旬に永住権の受け取り期日を提案されていた。
なんだけど、彼女はその期間に中国への出張が入るため取りに行けないという。
今彼女が働いているのは有名なコンサルティング会社で、中国企業を相手に企業コンサルティングをしているためヨーロッパ国内の他支店や展示会のアテンド、中国の顧客の元でのミーティングなどで出張がよく入る。
夜遅くまで仕事をしていて、すごい残業してるからほぼプライベートの時間はないし、同僚ともポイントを争って戦わないといけないので安心すらできない激務だ。
(そもそも残業っていう概念がないような給与形態なのかも)
でも、私からしたら、出張云々の前に自分の滞在許可の方が重要では?と思うのね。
それを私が彼女に言ったら、顧客やボスがもうその日程でプログラムを組んでるから自分の都合で出張日程を動かせない・・・と言う。
注意したいのは、そもそも滞在許可が切れると言うことは会社での就労もできなくなるし(労働許可付き滞在許可が切れた状態で仕事をしてはだめ)
大体、中国国籍保持者は入国ビザなしでヨーロッパに入国できない。
パスポート持ってるだけですっと入国できて、3ヶ月なり6ヶ月ぬるっと滞在はできてしまう私たち日本人とは立場が大違いなのだ。
だからこそ滞在許可の受け取り日程に自分が合わせることがどれだけ大事か彼女にだってわかるはずだろうに、どうも仕事を優先している。
そこで、弁護士を雇って、
パターン1:受け取り期日を数週間前倒ししてもらう
パターン2:仮ビザを発行してもらう
などの方法を探って、結局パターン2の、7月下旬の受け取り期日は無しにして、今年の12月までの仮ビザを発行してもらうことになった。
弁護士費用、おそらく500ユーロぐらい。
今はその仮ビザで滞在と労働許可が保証されていて、いよいよ今月末に永住権を受け取りに行く日程が決まってるんだけど、
急遽上司が再来週中国に出張に行くことになったので、同行しなきゃいけなくなったと言う。
しかもその日程、出発が移民局のアポのほんの数日前だ。
上司さ、鬼?
それで彼女は出張の後、そのまま中国に残って年明けの1月上旬までリモートワークと休暇を取りたいらしいんだけど、問題は今持っている仮ビザが12月26日に切れること。
そうすると、ビザが切れているのでドイツに入国できない。
だからまた弁護士を雇って、再来週の出張の前に永住権をもらえるか、など色々踏まえて調整中だと言う。
私には、企業コンサルティングの仕事がどれだけ厳しい世界かとかは聞いた話でしかわからないけど、
外国人として外国に生きている以上、滞在許可って仕事をするにも不可欠な生命線だから、それを申請したり受け取りに行く日は大事だと思う。
私の経験上、それのせいで職場に行くのが遅くなったりとかするのを渋られたことなんて一度もないし、むしろ持ってるカードが切れそうになったら人事部から催促されて心配されるから、きちんと移民局に行くのはどちらかというと義務だ。
なのに私の友人の会社は、その滞在許可がいつ切れるかとか申請日や受け取りの日なんか全くお構いなしでじゃんじゃか予定を入れて強いる。
展示会とかで日程が固定されているようなのならまだしも、商談なんて1週間ずらすことはできるはずだし、彼女のことを戦力として大事にするんだったら仕事以外のプライベート、この場合は滞在許可のことがちゃんとうまくいってるか気を配るのが雇い主としての在り方では?
弁護士雇う前に、自分の上司と交渉しようよ・・・って思うんだけど、私の友人めっちゃ強靭頑固。
代理で弁護士に取りに行ってもらって、Fedexで中国に送ってもらったら?なんて言ってみたけど、結局どうするんだろうね。
結構悠々と構えてるふうに見えるし、お金で解決しようと思ってるというか。
私だったら、その日は大事な用があるので出張には行けません。ってあらかじめ宣言しておくけどな。
考え方の違いというか、なんというか。
結構、滞在許可がすんなりおりないために仮ビザを発行してもらったっていう知り合いいるんだよね。
私もオーストリアのDビザを出してもらったことはあるけど、それはドイツと東京のオーストリア大使館でそれぞれ1回ずつ、大使館経由で滞在許可を申請した時に渡航前に授与してもらったビザだから、ドイツの知り合いがもらってる仮ビザとはタイプが違う。
とにかく、こういうごちゃごちゃから解放されるためにも取得したいのが永住権なわけなのです。
これも審査はもうないとは言え、カードの期限はあるから期限の1ヶ月ぐらい前になったら更新しなきゃいけないし、また更新手数料払わなきゃいけないし、
その前後はパスポートの残り期間や渡航に気を遣わなきゃいけないっていう縛りがあると思うけどね。
友人、綱渡りだけど私よりずっと困難をたくさん経験してきてると思う。
利便性を取って国籍を変えてしまう中国人も多い中、彼女は中国人であることに誇りを持ってるし。
やっぱ強いわ。
名前がね、雷鳴って書いてレイミンなの。
見るからに強い女⚡️
永住権のことも、きっとなんとかするんでしょう。
———追記 11月12日
先ほど彼女から連絡があり、弁護士の力で今日永住権をもらえたそう。
300ユーロ払って。
これで安心して中国に出張+休暇に行けて、今後のドイツでの生活も保証されるので、とても嬉しいと思う。
私たち2人それぞれの永住権が無事手に入ったことで、お互い喜んだ今日。
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