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お山の話Vol.2 はじめての縦走
登山はやめることなくその後も継続。
次なるチャレンジは『縦走』
当時、新田次郎の小説で『孤高の人』っていう有名な登山小説にハマっており『縦走』という響きに憧れを持っていた時期です。
四国には剣山と三嶺というお山をつなぐ、有名な縦走路があります。
■お山と縦走路について
・剣山(つるぎさん)
徳島県に位置する、標高1,955mで西日本で2番目の高さの山。リフトもあって、難所も少ないので初心者にはちょうど良い山とされる。日本百名山に選定。かれこれ10回近く登っています。
山頂には『剣山山頂ヒュッテ』という、有料の山小屋があります。
食事や寝床も完備でお風呂もあります!ご飯も美味しくて何度もこちらにはお世話になっています。
https://tsurugisan-hutte.com/
・三嶺(さんれい、みうね)
標高は1,894m。徳島県と高知県の県境に位置する。延々と急登がつづくので、難易度は中級者レベル。ここも5-6回ほどのぼりました。
山頂には『三嶺ヒュッテ』という避難小屋があります。この山域には避難小屋がいくつかあるのですが、全てが見事なほど綺麗に整備されております。
・縦走路について
総距離:約20km
総移動時間:約14時間
・行程の概要について
前日に登山口近くの宿に前泊。
朝3時頃に三嶺側の登山口からヘッドライト装着登山開始。
山頂登頂後は、剣山に向けてひたすら稜線を歩く。夕方に『剣山山頂ヒュッテ』に到着し宿泊。翌朝剣山を下山し終了という行程です。
■挫折
2017年某月某日
この縦走路への初チャレンジは、危険箇所でのあまりの恐怖にびびって逃げて帰るという結末となりました。
三嶺の山頂から剣山の方向へ下山する際に、直角に近い断崖を降りる箇所があります。備え付けられている鎖やロープを使って降りる場面です。
経験を積んだ今となっては、それほどの難所ではないのです。
ですが、当時は危険箇所をくぐり抜けた経験値も皆無。高所感満載の断崖絶壁を見下ろすことで、煽られる恐怖感に負けてしまいました。
勇気を振り絞って降りようとしたけど、足が震えて進まない。
時間だけが刻々と過ぎ去る。
30分ほどそこで絶壁の下の方を覗いては、後退りを繰り返した結果、撤退することにしました。ここまでくるのに大変な労力を割いたのに…
後ろ髪引かれる思いでの撤退は負け犬そのもの。
体力も有り余っているので、帰路の車の中もずっと悔しい思いをしていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1711793843025-eVoFplOSvC.jpg?width=1200)
■克服
2017年11月某日
少しの期間を経て、全く同じルートで再チャレンジ。
まずは三嶺の山頂まで無事到着。天候も悪くない。再度、断崖に相対することになります。今回は逃げたくない!
再度あの場所に立ったときに相対する恐怖心をイメージして、それに負けずに一歩を踏み出すイメージトレーニングを事前にしていました。恐怖は所詮脳が作り出すものに過ぎない。
断崖絶壁には至る所に、滑落防止の鎖も用意されている。そこを離さなければ決して死ぬことはない。
しっかりと握り締めながら、恐る恐る一歩をふみました。
『はじめの一歩』を踏み出すことで、恐怖心という大きな障壁は乗り越えられました。
漫画のタイトルにもなるくらいだから『はじめの一歩』は重みのある言葉なんだなと実感。この時点では縦走路全体の3割地点ですが、自分の中で大きな経験を得られた瞬間です。
![](https://assets.st-note.com/img/1711794070931-2Cdmtpwuk3.jpg?width=1200)
■次なる危機
それにしてもタフな縦走路です。
延々と続く稜線を歩くのですが、アップダウンも激しい。総合20kmという距離だし、荷物もある程度必要。途中で水を補給する水場があまりないために、結構な量の水を持たなければいけないのも辛かった。
でも稜線を歩き続けるのは気分が良い。
登山というのは樹林帯をひたすら登って、一定の高度に達すると樹木が気温や高度の関係で樹木が育たなくなります。
これを森林限界と呼んで、ここを超えると稜線にでます。
稜線は過酷な樹林帯を上り切ったご褒美みたいなもの。なので長く続く稜線は楽しんで歩きたいものです。
とはいえ、20km近くの山道を大きな荷物を背負って歩くのはハード。
遠いな〜。
地図を繰り返し見ても、まだまだ先は遠い。
本来15時くらいには山小屋到着の計画。あれ、もう15時。まだまだやん….
焦ります。
焦りは緊張を産み、無駄な体力の消耗、判断のミスを招きます。
ここでペースを上げたことが致命傷になりました。
元々、朝3時出発という強引なスケジュールで挑んでいます。この時点で体力があまり残っておらず。
ペース上げる。体力消耗。喉が渇く。水を飲む。
短時間で繰り返すことで、お腹が水でいっぱいになりさらに動きづらくなりました。急激にスローダウン。
夕方になってきた。徐々に寒くなってきた。歩けずに休んでいるので、体が一気に冷える。ちょっとだけ『死』っていう言葉ちらりとよぎりました。
とはいえ、目標の宿は後少しまできている。
もうこれ以上無理!倒れる!
というギリギリの状態で宿に着くことができました。
多分、もう1時間ほど遅ければぶっ倒れていた可能性ありです。
無理な行程を組み、自分の体力を過信していたことを大いに反省しました。
■この時学んだこと
・恐怖は乗り越えることに意義がある。
・恐怖は所詮脳が作り出すもの。乗り越えて振り返ると意外と大したことない。
・未知のチャレンジほど事前調査や計画が重要。
・できるだろう、大丈夫だろうという楽観的予測は外れることもある。
・自分は何時間なら歩き続けられるかを把握しておくといい。
■剣山・三嶺の写真
この山域は本当に大好きなのと、淡路島からのアクセスも悪くないことで、何度も何度もきています。過去の写真を掘り出してアップしてみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1711794838808-lvlxaEepKw.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1711794909911-liIKGEfPoO.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1711795010911-ttUrNjG61E.jpg?width=1200)
涙などとうの昔に枯れ果てたと思っていたのだが,,,,
![](https://assets.st-note.com/img/1711795141480-YEQOURO2h5.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1711795295962-N1PBrWaXC0.jpg?width=1200)
天地一切の悪縁を断ち、現生最高の良縁を結ぶ
あやかりたい…
最後までご覧いただきありがとうございました。