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【ざっくり解説】「アタッチメント」~大切なのは"安心感"~

昨日の保育博で得た、貴重な学びを
自分なりに言語化しておこうと思います。


聴講したセミナー(インプット情報)

インプットした情報は、こちらです。

元々、発達心理学がご専門で、現在は「Cedep(セデップ)」のセンター長を勤めていらっしゃる遠藤利彦先生が、1時間たっぷり「アタッチメント」についてお話してくださいました。

Cedepについて

「Cedep」の正式名称は、発達保育実践政策学センター。
保育の研究と実践の橋渡しをしている機関だそうです。

非認知能力について学べる学習アニメ動画(7本 × 各3分程度)を作っていたりもしています。

「はじめの100か月の育ちビジョン」(こども家庭庁)

あと、こども家庭庁が打ち出している「はじめの100か月の育ちビジョン」(令和5年12月22日閣議決定)についても紹介がありました。知らなかった~。

そして、【やさしい版】の資料がめっちゃわかりやすい。

幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン(はじめの100か月の育ちビジョン)【やさしい版】(PDF/2,042KB)

「子どものウェルビーイングのために、乳幼児期のアタッチメントを大切にして、心身の健康のための土台をしっかりと作っていこうね。」的なことが書かれています。

セミナー内容

ざっくり意訳します。

①ルーマニアのアタッチメント剥奪研究。

捨てられた子どもたちが、施設で暮らします。
物理的には恵まれているはずなのに、人の手が足りない状況。
20人の赤ちゃんに、1人の大人。
個別の関わり、不快への対応ができない。
用を足すのも一斉で、泣き叫んでも助けてもらえない。

そんな、私たちが考える、人間の育ちにとって、普通なら経験して育っていくであろう「アタッチメント」が剥奪されて育った子どもたちは、その後の発達において、どんな影響があるのだろう。というBEIPというチームの世界的な研究。

「脳の萎縮」や「細胞の老化」など、心身全般に長期的なダメージが確認できた。特に、「自己」と「社会性」(≒非認知能力)の発達に深い傷を受けていた。

つまり、小さい頃に「人って、助けれくれないものなんだ」と、身体でそういう感覚を、心の奥底に固めてしまうと、それが、その人の一生涯の心身の健康や幸福観に影響してくるということ。

②「非認知能力」「自己」「社会性」とは

ジェームズ・ヘックマンも言うように、教育の投資効果が高いのは、圧倒的に「乳幼児期」。しかも、その時期に非認知能力(≒「自己」と「社会性」)の発達を保証することで、家庭の外でも大人との安定した関係を築くことができます。

そして、OECDレポート(2015)に掲げられた非認知(長期的目標の達成/他者との協働/感情の管理)を、もう少し噛み砕いた資料がこちらです。

「就学前のこどもの育ちに係る基本的な指針」に関する有識者懇談会(第4回)資料

「自己」の一番根っこにあるのは「自己信頼」。つまり、「自分は他人から愛してもらえる価値がある」という感覚。

「社会性」の一番根っこにあるのは「他者信頼」。つまり、「人って信じていいんだな」という感覚。

この2つの感覚を得るために最も大切なのが「アタッチメント」だというのです。

③「アタッチメント」とは

アタッチメントとは、平たく言えば「安心感を与えること」です。

子どもが怖くて不安で、心のバランスが崩れたときに、受け止めて立て直して、安心感に浸れること。そんな心の安全基地で、心の元気をチャージしたら、また元気に外へ探索に出掛けることができる。(安心感の輪

だから、単なる「スキンシップ」とは異なります。肌の接触があっても、安心感が与えられていなければ「アタッチメント」ではない。逆を言えば、肌の接触がなくても、遠くから「見守ってるよ」とニコッと微笑むなどして、本人が安心感を感じることができれば、それは「アタッチメント」です。

また、「アタッチメント理論」を提唱したボウルビィ。その本のタイトルの和訳が「母子関係の理論」となっていますが、幼い頃の親子関係に限定した考え方ではありません。

大人になってからは夫婦関係や新たな家族関係においても、このアタッチメントがずっと重要なものとしてあり続けるのです。(文科省「幼児期の非認知的な能力の発達をとらえる研究」より

そのあたりの背景がありつつ、最初に紹介した「はじめの100か月の育ちビジョン」では、このように紹介されています。

「はじめの100か月の育ちビジョン」こども家庭庁

セミナーを受けみての感想

セミナーを受けてみて、しゅんたろうが感じたこと。

遠藤利彦先生の温かく優しい言葉に包まれながらの1時間は、目からウロコの学びもたくさんあり、優しい気持ちになれた時間でした。

あと、「アタッチメント」って、"実家の母ちゃん"みたいなものなんだなぁと。

よくあるじゃないですか。

地方から都会へ上京して一人暮らしする若者。実家が恋しくなって、電話でお母さんの声を聞いたら、なんだかホッとした。みたいなシーン。

あれって、間違いなく「アタッチメント」ですよね。

「なにかあったら、あの人のところに行けばいい。守ってくれるはず。」そういう"見通し"を持てるのがアタッチメントとのことなので。(その見通しがあることによって、探索(挑戦)への意欲が湧いてくる。)

「まず、自分を、満たす」

自分はできているだろうか?

日々を大切に生きたいね。

ではまた!

しゅんたろう

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