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時をかける少女を観て-不可逆性-

時をかける少女を観て

 23年生きてきて初めて「時をかける少女」を観た。

 時間というのは不可逆性を持ち、遡れないからこそ大切であり尊い。しかしこの作品は少女が時の不可逆性を無視し何度も何度もやり直すことができる。

 やり直しが可能ということは時間の大切さを軽いものとしている気がしてしまう。実際に主人公は何度も何度もそんなところで使うか!?というところで時間をやり直していた。

 しかしそこに制約が存在する。回数という制約が。時間の不可逆性を得る代わりに回数制限という不自由さ(時間を遡れる代償としては軽いか)のおかげでまた今という時間に価値が生まれる。

 私はこの作品が単なるタイム・リープの話なのかはたまたパラレルワールドの話なのか分からないが(有識者教えてください)パラレルワールドだとしたら、大切な人がいなくなってしまう世界線、勇気を振り絞った告白をないものと捉えられてしまう世界線、大切な人に彼女ができてしまう世界線がある。どんなことが起きてもそれを現実と受け止め、今あるもので幸せを掴み取る覚悟が今の自分にあるだろうか。不可逆であるからこその時間の重さ、美しさを上手く表現していると感じる。

 現代を生きる人は自分を含め毎日働いて毎日スマホを見て毎日ある意味ルーティン化された日々を送っている。

 そんな現代に生きる私たちにこそ、この作品の本当に伝えたいことが刺さってくると思う。時代を超えて愛される作品、青春の甘酸っぱさを思い出させてくれる、nostalgicな側面もありつつぼんやり今を生きる私たちに警鐘を鳴らしてくれる。とても素晴らしい作品だと私は思った。

以上思ったことをつらつら書いただけの駄文。読んでいただけた方がいたのならありがとうございます。

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