「死」を意識から外すために
自分や身近の人の「死」を想像して、ゾッとした経験があるだろうか。
特に、現在のように新型コロナウィルスの感染が拡大し、
死者数等の情報がよく目に付くときは、特に想像している人が多いかもしれない。
「死」の恐怖とは、なにか
「死」は、いうまでもなく、人間の一番の恐怖である。
今、生きているときに知覚できている全ての感覚がなくなること、
自分という意志(存在)がなくなること、は人間にとって、
根源的な恐怖である。
「死」の特徴は、
・生きとし生けるすべてのものに、訪れる
・しかし、いつ訪れるかは誰にも分からない
という点にある。
必ず来る、しかし、いつか分からないから、準備や覚悟など、できない。
といっても、「死」の恐怖におびえて毎日を過ごしたくはない。
だからこそ、人は「死」を忘れるために、様々な方法をとる。
「死」の恐怖から逃れるためには、大きく2つの方法がある。
①死後の世界を信じる
②「死」を意識から外す、忘れる
①は、宗教の方法である。
死後の世界を信じることで、「死」の恐怖をなくし、
ひいいては、今現世で生きている行いを、よりよくしようとする。
今回は、特定の宗教を信じていない人向けに、②を考えてみたい。
「死」を意識から外す2つの方法
②はさらに2つに分けられる。
②-1:何か、没頭する
②-2:死と逆行しているという錯覚を持つ
②-1は、分かりやすい。
仕事でも趣味でも、家事や育児でも。
何かに集中しきっているとき、人は「死」を考えなくて済む。
つまるところ、全ては「死」を忘れるためにある、と言っても、
過言ではない。
②-2は、老いに対する対抗だ。
(本来であれば事故死等もあるが)多くの人にとって、
「死」とは徐々に老いていくことで訪れる。
つまり、老いに逆行しているという意識を持てると、
人は「死」を容易に忘れられる。
もちろん、本質的には人は「老い続ける」しかないのであり、
あくまで逆行している「錯覚」が重要だ。
逆行している錯覚としては、
筋トレや美容などによる若さ/美しさの追求が代表的である。
健康食品など、各種ヘルスケア製品が売れるのも、
つまるところ、「老いに逆行する錯覚」を得るために他ならない。
また、自分の能力(できること)が増えているという感覚も、
老いと逆行している錯覚を持てる。
老い先短い、だからこそ、学ぶことに意味がある。
逆に言えば、親戚などの近しい人の死により突発的に「死」を意識する場合を除いて、「死」を想像してしまうのは、
・何にも没頭していない(ヒマである)
・老いを感じている
という、どちらかが原因であるといってもいい。
「死」の恐怖を感じたら
もし、「死」の恐怖が頭に入ってきたら、
それについて頭を巡らすのは、無駄だ。
なぜなら、他の多くの恐怖と異なり、解決が不可能だからだ。
唯一の方法は、忘れる事だけ。
上記の通り、何かに没頭してもいいし、
アンチエイジングに取り組んでもいい。
「いや、自分、死ないんで」くらいに考えておいて、ちょうどいい。
いつか必ず来てしまう「死」の恐怖を感じる時間は、
何より勿体ない。
まとめ
『「生きること」に集中して、「死」を忘れる』
肝に銘じよう。
かしこ。