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プレイドからRightTouchに移る話。内省してより熱の向く方へ
おもしろき こともなき世を おもしろく
住みなすものは 心なりけり
If you want to go fast, go alone.
If you want to go far, go together.
1つ目は元々、もう1つは20代後半から。私が大事にしている言葉です。
SaaSの世界に飛び込んで早7年、26歳の時にJoinしたプレイドは300人を超える強い会社になりました。
去年の春から関わり始めたRightTouchに、12月から完全移籍して、今年以降はよりコミットメントを高めていきます。RightTouchはプレイドからスピンオフ(社内起業)したスタートアップで、KARTEをさらにラップした、カスタマーサポート業界向け、特にエンタープライズ企業向けのSaaSを開発・提供している会社です。
転職ではないので、異動エントリ的なものです。
このnoteでは私のプレイドでの挑戦と学び、そしてなぜ今カスタマーサポートに飛び込むのか、その2つについて個人と会社の話を織り混ぜつつ書いていきます。
内容は以下いずれかに当てはまる方向けかと思います。3つ目の方は前半の私の話は飛ばしてもらっても構いません笑。
私( @k-james )を直接知っている人
プレイドやRightTouchに興味がある人
新たな面白い挑戦機会、マーケットを探している人
また、今回の挑戦に関して、大変な時にも背中を押してくれたプレイドの同僚や経営陣には本当に感謝しています。この場でも御礼を。
プレイドでの挑戦と失敗と学びと
前提
前提、7年間過ごした会社は最高の挑戦ができる舞台でした。
データであらゆる生活者体験と働くを良くする、日々の本質的な楽しさを増やすことから豊かさを作る、これらの考え方には心底共感しています。プロダクトも文化ももちろん人も、自分自身共に変化していく過程でとても好きになりました。
今もその感覚は変わらないし、引き続きグループ全体で大きな成長を作っていきたい。(この前提は、プレイドは大きなissueに向き合えるめっちゃチャレンジングな良い会社だよと言いたいだけです)
個人の話
振り返ると、私は人が大きく変化していくさまが好きなのだと思います。そしてその変化の大きさにモチベーションを感じやすいタイプです。
人の変化、様々あると思いますが、例をあげると次のようなイメージです。
データ分析に人の"肉眼"的な視点を実装する
肌感覚やn1中心の世界にデータという武器ができる
日常生活にデータが組み込まれることで、新たな行動が生まれる
タスクでしかなかった仕事が楽しくなる
人生でやりたいことと今の働くが紐づいていく
長らくコミットしてきたのは「人を知る」ことに関するプロダクトで、キーワード的には「分析」や「顧客理解」で表されるものです。
「お客さんを知る」ことはもっと広く色々な立場の人にとっても意味のある、価値あることだと思っていて。その1歩目の新プロダクトリリースです!
— Koki James (@cokookie) April 7, 2022
ユーザー行動というファクトをもとにプロダクトデザインできる道具を作っている話|鈴木 健一 / PLAID & Ex.STANDARD @suk https://t.co/CnaXKP4avJ
「知る」領域のプロダクトを推進することでその事業成長のみならず、会社全体のブランドを強くすることにも繋がると感じていました。
一般的にプロダクトブランドとコーポレートブランドでは目的もやるべきことも明確に違いがありますが、自社(もしかしたらBtoB SaaSをはじめとしたスタートアップはその傾向があるかもですね)は両者が密接で絡み合う方が良くなる感覚があったんです。
そこでBrand Architectという役割を自分に設けて、プロダクト価値に近いところを中心にHR/PR、Brand作りに関するプロジェクトを立てて、採用広報や選考設計、周年などのブランデッドコンテンツの制作などを専任メンバーと共に進めたりしました。もっとプロダクトに集中した方が良い時も間違いなくありましたが、一定のアウトカムが作れたこともあり、後悔はなくいい思い出です。
学びという「やりたいことリスト」
うまくいったこと、いってないことはそれぞれありますが、特に以下3つが大きかったなと思います。(私個人の意識の話です)
1. プロダクト/事業を単体で考えすぎたこと
2. 組織を短期的に捉えすぎていたこと
3. 創業者に対して尊敬ではなく、憧れが強くなっていたこと
1点目はプラットフォーム型の事業であるにもかかわらず、担当プロダクトだけで戦略や活動、思考の範囲を不必要に絞っていたということです。
本来、ある"A"という新規プロダクトの成長が自社事業全体のレバレッジにどう跳ね返るのか、MOATの強化や新たな事業機会創出を含めたOut - Inのループを計算できる時間軸で、戦略上表せられる範囲で、描く必要があったと思います。
2点目は、いつの間にかその時(As is)の組織を前提に置いて活動していた、ということです。例えば採用やブランド作りも、最終的な活動が顕在的な課題や状態の解決に目的を寄せたものとなっていました。
将来の状態を見据えた採用や、桁数が変わるほど成長した組織になっても、ありたい/あるべき自分たちで居られるか、必要な変化が取りやすい文化や判断軸が醸成されているか、などと中長期にピン立てして逆算して活動することの重要性が身に染みました。
3点目は文字通りですが、強い憧れは要らないという話です。遠い存在であれば憧れという感情は効果的に働くと思います。一方、狭い同じ箱の仲間うちでは、逆の作用もあります。
私の場合は、無意識的に言わない、見ない、踏み込まない領域がありました。疑うことを忘れている時も。それはある種の信頼というのか、恐れというのかわからないですが、私がフラットにコトに向き合えていなかったんだなと思いました。尊敬は大事ですが、憧れは関係性にフラットさを無くし、盲目的にさせてしまいます。
どれも文章を書いてみると、そりゃそうだよって思うし、読まれた方も当然でしょと感じると思いますが、平面的な視点ではなかなか気づけなかったこと。1~3を踏まえて、こうしたいと思っています。
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おもしろき こともなき世を おもしろくに繋がるカスタマーサポート
話を戻して、RightTouchが向き合う「カスタマーサポート」ですが、言葉からは地味な印象を持つ方も多いと思います。ですが、おもしろさが本当に色々とあります。(ここだけで幾らでも話せそうなので、興味ある方はぜひ議論しましょう!)
マーケットと事業的なおもしろさは、プレイド時代から一緒にやっている長崎(代表)のnoteにわかりやすくまとまってるのでぜひ読んでみてください。
今回は「生活者インパクト」と「変革前々夜」の2点に絞って書いてみます。
生活者インパクト
1つ質問です。
日常で「面倒だな」「困ったな」と思うことってありますか?
私はけっこうあります。新しいことや普段やらないことをやると、ほぼ起きます。無意識的に諦めていることも多そうですが、もしかしたら毎日あるかもしれません。
おそらく、多くの人が近い感覚なのではと。
一般的には「カスタマーサポート = 問い合わせ対応」というイメージが強いですが、広く解釈してみると、人が感じる「面倒」「困る」というような体験の負の側面を取り除いて、目的を達成しやすくしたり、体験をスムーズにする行為と捉えることもできます。
先の実体験の話と繋げて考えると、あらゆる人のものすごい多くの瞬間がカスタマーサポートの対象になり得ます。
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もう1点ユニークだと感じるのは、カスタマーサポートでは事業者と生活者の活動目的が極めて一致しているということ。
コールセンターをはじめとしたカスタマーサポート(CS)部門では生産性向上を主目的に活動することが多くあります。問い合わせ1件あたりの応対時間を減らしたり、問い合わせ自体の発生を防ぐ自己解決促進の取り組みを進めたり。「顧客の問題を早く減らす」ことにコミットしています。
一方、なにか困っている生活者側で「電話したい」「チャット使いたい」と行為に対する欲求を心底思っている人は…いないですよね。「問題を早く解決したい」が内なる根本の思いです。
生活者もCS部門も「発生中の問題を早く解決したい」という思いは一緒なんです。問い合わせが必ずしもベストな手段ではない。
この関係性が私にとっては新鮮でした。マーケティングもプロダクト開発も、顧客の目的は多様で、事業側の目的や狙いとの不一致は多くあります。例えば、モノを「売りたい」企業に対して、顧客の状態は常に「買いたい」ではありません。
企業視点だけでは顧客ニーズを満たせず価値を作れないし、それでは先の事業の目的も成長も実現できないから、視点を合わせるためのユーザーファーストが重要視されているのだと思います。
踏み込んでいけば両者の目的の一致度合いはズレることもありますが、1つカスタマーサポートの特徴と言えそうです。事業活動の目的を大きくチューニングする必要はなく、問題解決にフォーカスできるので活動スピードが早くなります。
一見地味でチャレンジングさが見えずらいカスタマーサポート、以下のように捉えるとおもしろさが見えてきます。
あらゆる人のあらゆる体験が対象になり得るので、影響範囲が大きい
理想状態に対する事業者・生活者の視点が合致しているので、本質的な活動に集中できる・早く動ける
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変革前々夜
テクノロジーの進化や時代の変遷と共に、活躍できる舞台が広がった職種はいくつもあります。個人的にWebエンジニア、Webデザイナーは革命的な変化があった最たる例だと思います。
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代表の野村や長崎、メンバーみんなから話を聞いて、カスタマーサポートという存在は、変革前のそれらに近いと感じました。特にWebデザイナーに近い気がしました。
変革前の特徴を言語化すると以下の要素があります。
企業活動の後工程(川下とも言われますね)をメインにしている
活動範囲が制限され、経営から遠い
エンドユーザーに近い
だけれども、時価総額が高く、強いブランドが立ち、良いCXを提供している会社ほどカスタマーサポートへの注力度はとても高いと思います。Zappos、Apple、メルカリしかり。
私はデザイナーではないので詳細には語れないのですが、デジタルシフトが起き、ソフトウェアが生活の中心に組み込まれていく時代変遷のなかで、様々な階層における「デザイン」は重要視されるようになり、デザイナー自体のマーケットも盛り上がり、職種としても多様化していったように感じます。
カスタマーサポートでも、デジタル(いわゆるDX)の波が明らかに来ている。領域ごとに特化したSaaSが増え、先行する欧米ではサポートにおけるカスタマーデータやテクノロジー活用は当たり前になってきているようですし、生成AIとの相性も抜群です。
しかし日本ではまだ大きな成功ケースは少なく、活動するプレイヤーも少ないです。変革を作っていくためにはマーケット自体の盛り上がりも重要な要素になりますが、それはまだ起きていません。裏を返せば、いまはその変革の手前にいるということです。事業活動を通じてそれを作れそうという肌感、作るんだという熱を持てることはとてもエキサイティングだなと思います。
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30代の"やりたい"と幸福度
最近、以前よりも幸福度を意識するようになりました(メンタルは大丈夫です)。幸福度が高い状態をできるだけ維持して、生きていきたい。そうすると、いまの私はやっぱり仕事で担保する必要があります。
なぜ私が / なぜ私たちが / なぜこの会社がやるのか、というような根本の目的設定・目的に対する納得度は個人単位でも企業単位でも今後より大事になるのかなと思います。仕事でも私生活でも、自分が納得できていることに時間を使う方がきっと幸福度が高いから。
一見地味で面白くない、事業活動からユーザーへ価値がちゃんと循環していないような領域を革新することは、自分にとって意義も、面白く捉える余白も満ち溢れています。
現在30人弱のRightTouchですが、手前味噌ながらいいチームだと思います。足りない点は多いですが、事業もチームも挑戦しがいのある環境だと自負しています。だからこそ、これまでの学びを全て活かして、大きな変化を作ることに挑戦していきたいと思います。
2024年、今年もよろしくお願いします。
長文ながら、読んでいただいた方ありがとうございました。
RightTouchやカスタマーサポートに興味を持ってくれる方がいれば嬉しい限りです。
強いチームを作り続けるべく絶賛採用強化中なので、お気軽にご連絡ください。冒頭のカバー画像は新オフィスの写真です。ぜひぜひ遊びにきてください。