パビリオン・トウキョウを見れなかった人へ Global Bowl編
少し時間が空いてしまいましたが、パビリオン・トウキョウを見れなかった人へ 続きです。
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今日は平田晃久さんの「Global Bowl」です。
2.平田晃久「Global Bowl」
最近、僕たちが設計するような建築は、無味乾燥の現実にプスッと突き刺さる「異次元」にならなければならないとも考えたりしますね。(平田晃久)
引用:https://paviliontokyo.jp/pavilion-hirata
平田晃久(1971年~)が設計したこのお椀のような形のパビリオンは、通り抜けたり座ったりすることができます。様々な人たちがこのパビリオンを通り抜けることのできる、孔だらけのパビリオンは、内外の境界をほどきつつ結ぶ、反転する幾何学でできています。つまり、都市の中に小さな閉域をつくりながら、同時に外側とつながるのです。国連大学前の敷地は、隣接する公開空地と湾曲する青山通りがつくり出す、都市の巨大なボイドが感じられる場所です。このパビリオンは観測装置のように、このボイドのへそのような位置に置かれます。
木材を三次元カットして組み合わせる、日本の最新技術を生かした建築が、力強い物質感と工芸品のような緊張感を持って立ち上がり、都市の中に様々な文脈を引き寄せる、孔のような場所が生まれるでしょう。また、この設置場所は、パビリオンのもつ「多様なものが共存する」というテーマとも共通します。
平田晃久は建築を「生成する生命活動の一部」と捉え、生物や植物などの生態学の原理を設計に取り込んでいます。蝶々が花々の間を飛ぶように、隙間が重なり合って生まれる多様な領域を「からまりしろ」と呼び、そのような建築を作ることを目指しています。
引用:https://paviliontokyo.jp/pavilion-hirata
今回、人の顔がハッキリ写ってしまったものには画像加工を施しました。
問題がありましたら消しますのでご連絡ください。
正面から近づく。自分の背より高く2500mm前後くらい
ディティールを見る
3D加工された木目のねじれがわかる。
ねじれのとねじれの間に潜れる隙間
ボウルの中から奥のビルを見る。
ねじれの隙間から人が奥にいるのが見える。
ジャングルジムで遊ぶような子どもたち
ねじれの下に潜ると、草木をかき分けるようなふるまいが見える
何度も行ったり来たり、上り下りする子どもたち
遊具のような、決まった遊び方のない木登りのようだ。
少し高い位置へ登ってみる。
なぜこのねじれで構造が成立しているのか、全く理解できなかった。
向こうまでねじれが続くが、滑りそうで危ないため行けなかった。
高い視点から下を見下ろす。
どこか懐かしいような感覚があった。
孔と孔の間から人の姿が見える。
降りたのち、もう一度離れた視点でボウルを眺める。
中に入ったときは、子供の頃に感じた懐かしい感覚があったのに、離れて見ると、突如現れた異物のようにも見える。
この懐かしさの正体は何なのか考えると、自分の答えとして「木登り」があった。
ジャングルジムのように決められたグリッドに足や手をかけるより複雑で、木登りのように工夫をこらして登るより簡単だった。
都市の中における木登りを体験させる遊具と感じた。
本来のコンセプトとはかけ離れた見方で、捉え方も的外れかもしれないけど、それでもこのパビリオンは新しい都市の居場所として可能性を感じる作品だった。