#241 一学期の終わりの頃
夏休みが近づいてきた。子どもたちが学校に行く日も、あとわずかになった。学校での授業は午前中で終わり、給食を食べて1時半過ぎに、こどもたちは集団で下校してきた。
しょうへいとりかこは、宿題をしてから友達と遊ぶように母親から言われていた。
りかこは今日の宿題を持ってさっさと友達の家に行った。
しょうへいが宿題を始めようとした時、友達が自転車で遊びの誘いに来た。保育園で一緒だったけいた君だった。6年になり、体は大きくなっていたが、顔はあまり変わっていなかった。
しょうへいも友達が来たので、「帰ってから宿題するわ。」と言って、水筒にお茶を入れ、サッカーボールとグローブを持って、2時過ぎに自転車に乗って学校に遊びに行った。
5時半過ぎに家に帰り、しょうへいは宿題を始めた。私が今日のことを聞くと、学校のグランドで、10人くらいの友達とサッカーや三角ベースをしていたようだった。私が、「暑くて、しんどかったやろ?」と聞くと、「適当に休むから、しんどくなかったで。久しぶりにみんなで遊んだから楽しかったで。」と、しょうへいは言った。
「けいたは、おじいちゃんのこと知ってたで。保育園で泥だんご(#13 泥だんご)を作ってもらったと言ってたわ。」とも、しょうへいは言った。
今日も熱中症の厳重警戒警報が出ていた。その炎天下のグランドで、疲れを知らずに遊びまわる子どもたちが、うらやましかった。