DSC00815のコピー

2010.12.31 未明

確かに私は眠っていた・・・はずだった。

突如、胸焼けで目が覚めた。

ムクッと上半身を起こし、シュラフに入れているお湯のボトルをゴソゴソと探す。

なんだか、めちゃくちゃ気持ち悪いぞ。

手に取って、口に含んだ瞬間だった。

まるでマーライオンのように、吐いた。

三回。

全く抵抗することができず、床に胃の内容物をすべて吐き出してしまった。

びっくりした。

あまりにもびっくりしすぎて放心していると、ニマさんがびっくりして飛び起きた。

「コウキセンセ、大丈夫?いまラクパ呼んでくるから!」

隣室で熟睡していたラクパさん、たたき起こされ見たものは・・・

そう、私が吐き出した超大量のゲロ。

こんな極悪な起こされ方は、そうないはずだ。

それでもラクパさんは、全く嫌な顔せず、

「コウキサン、ダイジョブ??」

私を心配しながら、黙々とゲロを拭き取ってくれた。


サイアクだった。


穴があったら、そこに思いきり突っ込んでくれ!そんな気分だ。

体調悪化は想像以上だった。

頭痛がないので、高山病とは断定できないが、熱は高かった。


この原因不明の体調不良により、今後の行程が一気に白紙になってしまった。

ニマさんは、

「こんなんじゃ、もう先に進めない。登頂は諦めよう。絶対ムリだよ。引き返そう。」と、絶望感たっぷりの言葉を次々に浴びせてくる。

目の前で、こんな大量に吐かれたら、そりゃそうだ。

一方、ラクパさんは、私の様子をじっと伺っている。

とりあえず、朝起きてから決めようと、ラクパさんは言い残し部屋を出て行った。

高熱でしびれる身体を横たえ、

自分の弱さに激しい怒りと悲しみを覚えながら、

シュラフに包まって、朝日を待った。


つづく

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