パーパスモデル 人を巻き込む共創の作り方
事業でも、プロジェクトでも、タスクでも多くの人が関わり試行錯誤してそれらを進めていく中で短期的な成果を求められたり、色々意見が飛び交い方向性が見えなくなったり、議論の中で空中分解したり、「あれそもそもなんでやってるんだっけ?」と案外目的を失うことも多くない。
いやそんなことが99%だろう。
そんな時この本を読んでパーパスを中心に考えたりそもそもの目的を整理するのは多いにありだ。
さて「共創」ってそもそもなんだ?
この本では「社会課題の解決を目指し、多様なステークホルダーが自分たちの領域を互いに一歩踏み出して、知を組み合わせることで、新たな価値を創出することである」と定義している。
さらにその「共創」を作るための設計図こそが「パーパスモデル」なのである。
第1章~第4章まで章分けされているが
前半はパーパスモデルの理解、19このプロジェクトを事例を紹介。
あるあるあるあるあるあるある笑笑ありすぎて笑う
実際仕事(少なくとも僕が関わる)なんて「建前」で進むことが99%いや100%かな。それは共通目的が整理されてないのが課題。
さらにこう続く
目的と役割を整理するの大事。
事例も19とかず多くあり、
いくつかの事例を気になった項目をピックアップしていきたい。
BONUS TRACKのパーパスモデル
「支援型開発」を行うことで解決したそうだ。
都市型ビジネスや地域コミュニティを運営する上で利益ばかりに目が眩み
優先順位が下がってしまいがちなのが「地域住民の想い」や「地域カルチャー」そこを地道に実直に説得し最終的には住民が手をあげて協力して作り上げたのが強いよね。
High Lineのパーパスモデル
Where Commerce Once Ruled, New Yorkers Walk and Wonder
ダイナミックな都市を体感させるNYの空中庭園、ハイラインはなぜこれほど成功したのだろう?
1934年から貨物列車が運行されていたが1980年に廃止されたここは長らく放置され、1990年には廃墟跡の撤去が決まっていたそう。
そこを若者2人がNPOを設立し今の形に至ったと言う。
募金など地道な活動もあるが大きくレバーとして作用したのは一流のカメラマンによる写真集だったと。
今ではドロップインで気軽に運営に参加できる運営管理だったり、メンバーシップの権利を他人にプレゼントできる方式だったり今風な運営体制も整えられている。
「関わる市民の多さ」というスコープを通して見ると、まさにただの歩道や公園ではなく、「生きたコミュニティ」ということが見て取れる。
なかでも僕が多分何回も読み直すだろうなと思ったのが第3章「より良い共創を実現するためのポイント」
1.共通目的をどう考えるか?
2.誰をどう巻き込むか?
3.活動をどう広げていくか?
パーパスモデルを実践するための指南章だ。
目的工学をベースに目的には階層がある。
大目的だけでは「ふーんそうなんだ、でも私には」と自分ゴトかしづらい。小目的では「これだけこの領域だけ、短期的な利益のため」と自分ゴト化しすぎて中長期の目的が失われてしまう。
中目的を設定することで初めて「私たちゴト化」できるのであろう。
共通目的は「誰が」「何をどのようにして」「どんな状態にするのか」
これらを言語化していくことで、共通目的の解像度が一段階あがり未来にどんな状態を目指していくかを具体化することができる。
と「マテリアリティ・マップ」というフレームワーク。
自社にとっての重点テーマを配置した地図。
自社にとって重要で自社を取り巻くステークホルダーにとっても重要なのが図の右上に配置される。社会全体の方針と個別の事業やプロジェクトにズレが発生しないようにすることも重要。
「パーパスモデルを時系列でみる」
という項目もかなり興味深かったので後日書く。
共創には「主体性」が重要だと思う。
共創に取り組む前に、そもそも自分は何を大切にしたいか(何をしたいか)と行動(何をするか)がつながっているかを意識したい。
想いと行動が自分の中でつながっているとき、内発的動機が生まれ、主体性を持って活動できるのだ。
また自分の想いと社会のパーパスが一致していることもとても重要で。
目の前の課題を突き詰めていった先に社会課題につながることもある。個人と社会のつながり方は様々だけど、まず実践していきたいのは、自分を社会のつながりを意識すること。