やせる目的のダイエットさえしなければ、リバウンドしない。~その2~
幸せな小太り姉さんとの出会い
いまとなっては、姉さんと呼んでいるが血のつながりがあるという訳ではない。わたしがひどく落ち込んでいた時に、偶然声をかけてくれたのが姉さんだった。
姉さんと出逢ったのは、わたしが小学校3年生で、夏休みにおばあちゃん家に遊びにいったときのこと。おばあちゃん家の近くの公園で、地元の子たちと遊んでいた記憶がある。その中に、学年が1個上の男の子がいた。
身長がわたしよりも低いことを、とても気にしているようだった。その様子を見かねた男の子のお母さんは、わたしに聞こえるくらいの大きな声でこういった。
「気にすることないわよ。体重もあっちの方が、だいぶ重そうだから」と。
その瞬間、時がとまった。
頭の中は、真っ白になった。
わたしは、どこか異空間に、別の世界に放り出されたような感覚で、クラクラとめまいがした。自分自身の存在自体を、全否定されたかのような感覚だった。
(え? 今、何て言った?)
その言葉を悪意の塊として、受け止めるしかできなかった。
言葉をうまく受け流す方法や、
バリアを張って自分を守る術を知らなかった。
わたしは、その言葉を、本当のこととして、自分の中に受け入れる以外の方法を知らなかった。
まさに、そのとき、呪いにかかってしまったのだ。
「やせなければならない」の、呪いだ。
いわゆる肥満というわけではないが、他の子と比べるとポッチャリめな体型だったわたしは、そのことを少し気にしていた。そして、そういうことを気にする年頃になってきた頃でもあった。だから、そのときの私は、「やっぱり自分は太っているのか」と絶望的な気持ちになった。
そんな時、話しかけてくれたのが姉さんだった。