選手とコーチの残酷な関係についてのお話。
気付き
最近大学院の授業の中でコーチングについて深く考える機会があり、その中でも特に「選手への声かけ」の仕方を考えていました。
論文を読みながらトップレベルのコーチがどのように声かけしているのかを学びました。
自分がコーチングしている時は意外と気づけないのですが、そういった知見を元に部外者として他のチームのトレーニングを見てみるといろんな気づきがあったのです。
そこで気がつきました。
誰でも見たらわかることを指摘することはコーチングではない。
僕はミスをした選手に「ミスをするな!今のは短くつなげ!」と言いたくなります。
シュートを止められた選手に「シュートしっかりためろ!(跳んですぐではなく、落ち際にシュートを打つこと)」と言いたくなります。
そう、コーチじゃなくても通りすがりのおじさんでも指摘できそうなことを言ってしまいそうになるんです。これに気が付くとなかなか喋れなくなりました。笑
時間軸のさらに奥を探る問い
本当に必要なのは、選手たちに自分のプレーを振り返って内省出来る様にする声かけだと感じています。
パスミスが起きれば「反対側の状況はどうなってたと思う?何人いた?」
シュートミスが起きれば「シュートためれそうだった?どうして早いタイミングでしかシュート打てなかったんだろうね?」
とミスが起きた原因を、頭の中でビデオを巻き戻すように確認して、整理させることが出来れば、選手たちをもっと主体的にハンドボールに関わらせることが出来るんじゃないか。そう思いました。
それを簡単に絵に書いたのがこちら↓
最後に責任を取らされるのは選手自身。
私自身が選手のとき、表面上わかることを指摘されたら「そりゃそうだろ、だからなんだよ」ってそこで考えることを辞めてしまっていたんですよね。
選手が素直だったり頭が良ければ、足りぬ言葉から真意を連想して、さらに奥の内省へとたどり着くんでしょうが、そんな選手は一握りです。
残酷なことに彼らの多くはそう言ったことに気づかないまま、ポテンシャルを無駄にしていくのかもしれませんが、その責任を取らされるのは彼ら自身です。
コーチである私たちではないのです。では、私たちには何が出来るのか。
知見をアップデートしながら圧倒的な熱を持ち続けるしかないのかもしれません。それが正しいかどうか証明してくれるのは選手自身、その成果も責任も選手のものです。
今日は1つの講義をきっかけに、コーチングのヒントと選手との関係性について、両方がリンクするような感覚があったので今回の記事してみました。
今日は短めです!!多分これくらいが一番読んでもらえるかも。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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本日もお疲れ様でした!
筑波大男子ハンドボール部 森永 浩壽