暑い夏が終われば秋に『ひやおろし』の季節がやってきます
暑い夏が終われば秋、秋の日本酒と言えば『ひやおろし』です。ひやおろしとは??冬の寒い時期に仕込まれた日本酒を春に絞り夏の期間ゆっくりと熟成させ、 秋の気配が感じられる <外気と蔵の中の温度が同じくらいになった頃に> バランスの取れた旨みのあるまろやかな味わいになるのを待って出荷された酒です。 貯蔵されて火入れせずに冷やしたまま貯蔵用の大桶から出荷用の木樽へと降ろされ(おろし)ていたことから『ひやおろし』と呼ばれます。
20年前からひやおろしを秋に楽しむ会を開催していますが、当時は人気が高いわけでもなく「夏酒の残った商品なのでしょう」くらいに思われていた気がします。確かに商品化している蔵元は今よりも随分と少なかったと記憶しています。その当時は新政(秋田)のひやおろしの佐藤卯兵衛シリーズが手軽に購入出来ました。日本を楽しんでいた仲間と集まっていただきましたが、味わいは深く、とても印象に残っています。
よく頂いたのが船中八策(高知)本酵母ならではの華やかでふくらみのある香りと、綺麗でしっかりした味わいが調和。ほどよく熟成して口当たりまろやか、超辛口らしく後キレ爽やか。
あとは、秋鹿(大阪)。「山田錦」の芳醇な風味と秋鹿ならではの酸が調和。米の味わいを十二分に引き出した旨味のある純米吟醸酒。
続いて、大山(山形)。穏やかな洋ナシ様の香りの「山形NF-KA酵母」と、華やかなリンゴ様の香りの「きょうかい1801号」、二つの酵母により味わい深さと華やかさを両立させた品良い味わいに、ほどよく熟成したなめらかさを追加。しっかりした旨みとまとまり良く幅のある品良い味わいで、喉ごしはすっきり。秋の味覚を引き立ててくれます。
大雪渓(長野)もいいですね。爽やかで優しいマスカット様の香りと、良質なお米由来の幅のある旨みが広がり、大雪渓らしいスッとキレる綺麗な後味。あげればキリないくらい。
秋は滋味深い料理が増えて相性バッチリですね。ただ、最近は人気なので早めに購入した方がいいと思います。
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