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「神の粒子」予言者ヒッグス氏をしのぶ

ヒッグス粒子を予言したヒッグス氏が亡くなりました。日本の主要メディアにも掲載されています。

予言したのはちょうどいまから60年前で、そこから半世紀がたってついに実験でその存在が正式に認められました。

全ての物質に質量を付与、とありますが、もう少し細かく書くと
「弱い力に質量を与える」
というものです。「弱い力」というのは「強い力、電磁気力、重力」と並ぶ4つの力の1つです。2023年に誕生50周年の記事を書いたので、詳細はそちらにゆだねます。

そしてヒッグス粒子が見つかった10周年にも投稿したので合わせて載せてきます。

(上記投稿にものせてますが)このアイデアの根幹は、日本で生まれた南部陽一郎氏によるものです。こちらも再掲しておきます。

要点だけ書きます。
弱い力への仮説(ヤン・ミルズ理論)では、最小単位であるクォークの質量がゼロになってしまい、実観測と齟齬がありました。
そこで南部氏は、初期状態はゼロだったが、そこから質量(運動しにくくなる作用)を付与する現象が起こった、という大胆なモデルを提唱し、そこからヒッグス氏が予言したのがヒッグス粒子、というつながりです。

ただ、南部氏とヒッグス氏の構想を形作るうえで重要な役割を担うのが、ワインバーグ氏です。この方も近年なくなりました。

ヒッグス粒子は、センセーショナルに「神の粒子」と呼ばれることもありました。実際はなかなか見つからないので「Goddam(こんちくしょう、という語感)」が由来だそうです。こういった人間臭さが感じられるほうが個人的には好みです☺

ただ、これで謎が完全に解明されたわけではありません。

ヒッグス粒子と聞くと単一な存在を想像しますが、これは複数粒子からなるのでは?という可能性も示唆されています。

そちらについても過去にふれたので載せておきます。

今の100倍以上のエネルギーを出力できる加速器を作ればそれが証明できます。

次世代加速器候補は、日本・中国・欧州で議論されています。日本については過去にふれたので関心があるかたはそちらを。

このように、半世紀以上前に提唱されたアイデアがタスキをつないで次世代につながろうとしています。

素粒子物理は現代科学を象徴する分野といっても過言ではないですね。

改めてヒッグス氏の貢献をたたえるとともに、ご冥福を心よりお祈りします。

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