自動運転の技術がアマゾン最古の都市をみつける
以前に、最新技術が古代遺跡解明に貢献した話をしました。
1つはミュー粒子(ミューオン)で、最大ピラミッドの新しい部屋を見つけたり、内部立ち入りが難しい日本の古墳を照らしました。
もう一つ、マヤ文明の遺跡を新たに発見したのもある最新技術です。
ここで使われたのは、自動運転のセンサー技術で有名なLiDAR(Light Detection and Ranging)です。上記投稿でものせましたが、基礎解説サイトを載せておきます。
ざっくりいえば、レーザー光線を使った3次元距離測定です。
このLiDARが、アマゾンの最古都市を発見した記事が紹介されています。
こちらで読むことができます。
従来は1500年前が最古だったアマゾン地域の都市よりも、さらに1千年以上古いと思われる遺跡をLiDARで発見しました。
こちらの図が衝撃的です。
念のためLiDARの役割を補足すると、航空機から照射したレーザー光線が森林を透過してその先にある地形を浮き彫りにするわけです。
特にアマゾンは密林地帯が多いので、遺跡を目視で見つけるのは難しかったのでしょうね。
現状分かっている当時の様子を描写しています。
場所はウパノ渓谷(Upano Valley)と呼ばれる場所で、300平方キロメートルにわたって5つの大きな集落と10の小さな集落を特定しました。
集落ごとに住宅や儀式用の建造物が密集しており、都市には長方形の農地が点在しています。
既にこの地域では、過去の発掘でトウモロコシ、キャニオク、サツマイモなどの作物を植えた丘の中腹が見つかっていました。
幅の広い真っ直ぐな道路が都市同士を結び、各集落内の住宅と近隣の間に道路が通っており、まさに都市と言っていいと思います。
よく考えたら世界4大文明には南米は含まれていませんでした。
マヤやインカ文明もまだベールに覆われたところがありそうですが、近い場所にあるこのアマゾン地域でも、思った以上に多様な文明が存在しているかもしれません。
以前に、人類史が遺伝子技術などの影響で書き変わりつつあるという話をしました。
今回のような発見が続くと、文明史も大きく変わる可能性がありそうです。
歴史にはなんとなくストーリー性があるという思い込みが個人的にありますし、HiSTORYという語感からもくみ取れます。
つまり、どうしても歴史は主観が入ったもので、地球でみた公平性をとるのは難しいと思います。
だからこそ、全体ストーリーで丸めるのでなく、このような多様な南米での発見を都度話題にして思いを巡らす場は必要かなと感じました。