光のバネで中性子星衝突で生まれるさざ波を追う?
面白そうな発表を見かけました。こちらを自分なりに砕いて紹介してみたいと思います。
量子光学という言葉がなじみなかったのですが、ようは光の量子効果を使った分野のようです。
これで光のバネを創る、というのがはじめピンとこなかったのですが、レーザ光として鏡に当てた時の復元する力を指すようです。
イメージとして、鏡の中にレーザー光が閉じ込められているとします。その鏡を光の波長の整数倍だけずらしていくと、この鏡を押す力(輻射圧)が変わり、その反作用(戻ろうとする力)が「バネ」のような効果を生む、ようです。
光の振動数の二乗がバネの硬さに比例するようで、これをいかに高めるのかが信号の検出器としての性能に直結してきます。が、安易にレーザー光の強度を高めるとノイズや鏡を痛めるリスクが高まります。
そのために今回導入したのが「非線形光学結晶」なるものです。
線形的(単純比例)ではない、例えば倍々の出力となる不思議な結晶です。これで、実験機器の負荷を抑えて性能を飛躍的に高めることができます。以下にその図を載せておきます。
不思議なことに、この結晶の温度を変えることで信号が増幅されるようで、「光カー効果」と呼ばれています。(カー効果自体が初耳でした)
で、このすごい検出器で何をしたいのか?
ずばっというと「中性子星の衝突で放出される重力波」を検出します。
重力波は2016年に史上初めてその検出が発表されました。過去にも幾度か触れたので詳細はそちらに委ねます。
上記記事内にもありますが、宇宙初期の電磁波は電子などに阻害されてある程度の時期以降でないと観測ができませんが、重力波であれば可能です。
つまり、この光のバネが宇宙初期を教えてくれるということです。
重力波望遠鏡にも期待したいですが、なんとなく地上での観測にも応用できそうな気がしました。
ぜひ異分野の研究者にこのまばゆい成果を照らしてほしいです☺