太陽系最大級の衛星エウロパとガニメデ
今年は宇宙望遠鏡ジェイムズ・ウェッブの活躍が目立ちます。ついに太陽系外惑星の撮影にも成功しました。
ただし、これで地上望遠鏡が不要になったわけでなく、これはこれで活躍を続けています。
太陽系惑星のうち最大の「木星」。望遠鏡を発明したガリレオが初めて見つけて、その功績を称えて木星の探査機もガリレオと名付けられています。
ただ、地上からの望遠鏡による探索も継続しており、最近ニュースで取り上げられた木星の衛星画像を取り上げてみたいと思います。
VLT(Very Large Telescope)という大型望遠鏡タイプのうち、最も有名なのが、ESO(欧州宇宙機関)が運営管理する南米チリにある4台の干渉計望遠鏡です。(タイトル画像も同じ)
地上からの天体観測で最大の課題(ノイズ)は、「大気」です。なので、宇宙望遠鏡という発想になるわけです。
そしてこの地上望遠鏡の貢献は、20世紀後半に実用化が進んだ「補償光学」という技術です。汎用的な説明サイトをのせておきます。
2020年に、我々の天の川銀河中心にあるブラックホールの存在を検証した2名にノーベル物理学賞が贈られましたが、彼らの望遠鏡もこの技術を活用しています。
今回ターゲットにした木星を回る衛星「エウロパ」「ガニメデ」は、以前から地球外生命体の存在で期待されている星です。
これらの衛星は、SF作品でも鉄板と言っていいくらいの風格です。
例えば、SFの金字塔ともいわれるジェイムズ・ホーガン「星を継ぐもの」の続編タイトルにも露骨に含まれています。
注目されている理由は、いずれの衛星にも内部に水の存在があることがある程度わかっていることです。
2020年にも色々と報道されているので1つだけ紹介しておきます。
このように、水があることはある程度事実で、あとはそのモデルがいくつか提唱されているぐらいです。
ガニメデについては、酸素があることはもうわかっており、水蒸気の存在も期待されています。
このように、地上からの援護射撃は今後も続いていきますが、実はエウロパについてはより本格的に近づいて探査する計画が着々と進行中です。
その探査機を「エウロパ・クリッパー」と呼びます。
上記記事によると、2024年10月に打ち上げられるようですが、これでより本格的に、水の存在と、そして我々人類の居住可能性も期待されます。
というのも、実はエウロパの海の中には酸素が含まれている、という興味深い説も浮上しています。
今は、冒頭記事のように太陽系外惑星の探査が比較的話題を集めがちですが、まだまだ太陽系内でも謎と開拓に満ちあふれているので、注目していきたいと思います。