恐竜の新説ラッシュ!
一番有名な生物をあげると、「恐竜」は確実に高ランクになると思います。
特に、映画「ジェラシックパーク(1993年)」はその人気をさらに高めたといってもいいでしょう。
そんななかで、3/30のNHKスペシャル「恐竜超世界 in Japan」は、常識を覆しかねないワクワクな放送でした。
要は、
日本で見つかった恐竜化石の研究から、生態や絶滅について新しい説が唱えられて面白いことになっている、
という話です。
恐竜は定期的に新説が見つかります。生態系や見た目(実は毛におおわれていたなど)などが中心でした。
今回最も引き付けたのは、7700万年前の隕石衝突で絶滅したのが定説になっていたのが、「実は生存していた」という説です。
定説となった隕石衝突による絶滅説は、以前とりあげたので割愛します。
今回の放送で取り上げられていたのは、骨の専門家による化石分析(脱灰法)で、タンパク質の抽出に成功しました。これ結構すごいことです。
一応添えておくと、1億年近く前の化石にはタンパク質はもはや残っていない、というのが常識でした。それが見つかったわけです。
そしてそのタンパク質の種類を特定する研究が進み、現存生物のどれとも符合しない種類ということが分かりました。
今現在も、タンパク質を構成するアミノ酸配列(さらにはそれを構成するDNAの塩基配列)が進められ、特になぜ恐竜は異常に巨大化されたのか?という素朴ですが未解明の謎を追求し続けています。
特に今は遺伝子配列を読み取る技術も急速に進化しているため、もしかしたら、ジェラシックパーク(恐竜の血を吸った蚊からDNA抽出)の夢物語が、実現するのかもしれません。
もう1つの刺激的な新説が「実は恐竜は隕石衝突で絶滅していなかった」という説です。
先ほど「巨大化の謎」とふれましたが、実は今の鳥と同じ程度の小型恐竜も存在していたことが、近年の化石発掘で分かりました。
隕石衝突説をもう少し補足すると、それによって塵が地球を覆って一気に冷え切り、生存のためのエネルギー(食料)調達が困難になったというものです。
体が大きいほどエネルギーを必要とするため、巨大な恐竜は絶滅した、ということです。が、超小型恐竜が存在していたことで生存説が現実味を帯びてきます。
さらに、今回一例で取り上げられた「カムイサウルス」の化石から、冬を越した、つまり寒さへの適応能力をもっていたことも推測されます。
先ほどのタンパク質同定結果が、絶滅後に栄えた生物(巨鳥が中心ですが哺乳類も登場)に符号すればよりその生存説がリアリティを増しますが、現時点では全く別です。
なにより、今回の放送は全て「日本で発見された化石」からの研究結果で、これはアジアでも際立った研究成果です。
正直あまり日本は「恐竜の化石が見つかる場所」として認知していなかったのですが、放送された下図のとおり、町おこしも含めて今後新しい取り組み方がふえてくるかもしれませんね。
「恐竜が日本を活性化させる」、今回紹介された研究成果も含めて、ぜひ今後もウォッチしていきたいと思います。