史上最大級のトンガ噴火は特殊な爆発だったのか?
以前に、最近オンデマンド配信になったゴジラ-1.0の科学ネタについて触れました。
泡で高圧な深海に沈めてゴジラを退治しよう、という作戦です。
これと逆の自然現象として「噴火」が挙げられます。
逆といってもピンとこないと思うので、噴火の原理について分かりやすく説明したサイトを紹介します。
ポイントは、水などの液体を含んだマグマが、周囲より密度が軽いので上昇し、すると圧力も下がるためマグマ内の液体が泡となって膨張する、というくだりです。まさに逆ゴジラ現象です。
近年の最大級としてまだ記憶に新しいのが、2022年にトンガで起こった噴火です。こちらの映像がその規模を物語っています。
歴代でも最大級で、上記ニュースでは海底地形が変化したとの報道です。(その範囲はエジプトピラミッドの4千個分!)
空中でも、その噴煙は高さ約58kmにまで達しており、人工衛星観測史上最大とのことです。(こちら)
宇宙の定義として有名なものにカーマンライン(高度100km)がありますが、そこにまで風圧が達したという報道もあります。
気になるのが、なぜこのような史上最大級の噴火が起こったのか?
最近の研究で、従来の噴火と別のメカニズムによるのではないか?という説が発表されています。(元論文はこちら)
従来は、マグマ(だまり)が海水と触れ合うことで急速に気化する「水蒸気爆発」と考えられていました。
今回の発表では、「爆発はガスによって引き起こされたのでは?」という可能性が指摘されています。
つまり、密閉された空間にガスがたまり続けてその圧力が限界を超えた、というメカニズムです。
これは反応性ガス (H2O、CO2、SO2、HCl など)と呼ばれるもので、これらが化学反応して生成される鉱物(硫化物、石英)などは実際に記録されているようです。(あくまで傍証)
そのガスがたまっていく経緯を図示した個所を引用します。
過去の噴火でも近い現象はあったとのことです。
仮に正しいとすれば、今後の噴火予測もそうですが、その直後に起こった大津波の影響分析などにも新しい道が拓けるかもしれません。(まだ当時の津波メカニズムは厳密には調査中)
今回調べて初めてしったのは、日本は地震だけでなく「火山大国」でもあったということです。1つサイトを紹介します。
地震については、過去にも書いたとおり現時点で科学的な予知は困難な状態です。
火山についても、今回の新説から、まだ事前予知は困難なのかもしれませんが、諦観せずに探求し続けてほしいです。