火星探査に関するアップデート
火星には、既に数か国が探査車を送り込み、最近いくつかの興味深いアップデートがありました。
まず、米国が送った2つの探査車についてですが、基本的な情報は過去に書いたものでとどめておきます。
この2台(キュリオシティ・パーシヴィアランス)の足と脳がアップデートされたようです。
EVのテスラの特徴で有名なのは、ソフトウェアアップデートです。これによってわざわざディーラーやメーカに車体を持ち込む必要がありません。WindowsのUpdateと同じ感覚で、常に最新の状態にソフトウェアでメンテできるわけです。
おなじUpdateがキュリオシティにこの4月に行われ、これによって車輪が地形に対して滑らかにして摩耗を減らすことが出来ます。(靴を最新にした感じでしょうか)
きっかけの1つは、鋭い岩を踏んだのか車輪が一部損傷が激しいことに気づいたことです。下記の写真をがそれを示しています。
米国の2台の大きな違いを1つあげると、「自律性」です。
パーシヴィアランスには、今回のUpdateはある意味そこまで必要ないかもしれません。なぜなら元々最も負荷の少ないルートを自身で計算して最適な道を移動するからです。
さすがに最新型(10年ほどの差異)は違いますが、言い方を変えると先輩(キュリオシティ)は10年以上も火星の画像を送り続けているため、貢献の意味では先輩に道を譲るでしょう。
今回のUpdate自体も初の大型更新だったようで、関係者はほっと胸をなでおろしたようです。まだまだ現役時代が続きそうです。
もう1つの国は「中国」です。
Zhurongという探査機を2021年に火星に送り込み活動しています。
4月28日の論文(こちら)によると、探索している砂丘地帯で、140 万年から 40 万年前の時期に「氷」が溶けたために形成された、という説を唱えています。
元々火星には過去に水があったであろうということはよく知られています。大体30億年前あたりと推察され、その時に氷が解けて水蒸気となって火星面上を移動し、大気内で冷えて固まった状態で再度火星面上に降り注いで今の地形を形成したのではないか、という流れです。
一言で言えば「火星の雪」ですね。上記記事内に探査地点などの動画も張られています。
Zhurongは今、耐塩性微生物を探すミッションを検討しているところです。つまり火星生命の直接的な証明ですね。
私が子供のころに描いたタコ型の生命体とはだいぶ異なりますが、いずれにしても火星の探査は順調に進んでいます。
次回のUpdateを楽しみにしています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?