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H3ロケット4号機で打ち上げられた防衛通信衛星「きらめき3号」の役割と意義

H3ロケット4号機が無事打ち上げを成功しました。

商用機としては2機目です。

今回打ち上げたものは、防衛通信衛星です。H3はもう安心して打ち上げLIVEを観ていられたので、今回はH3でなくその衛星について紹介したいと思います。

この通信衛星は「きらめき3号」と呼ばれ、名前が示すように既に同類の衛星が2機運用されています。

「きらめき3号」は、Xバンド通信を利用した防衛通信衛星であり、天候に左右されにくい安定した通信が可能です。
これにより、陸上・海上・航空自衛隊間の高速・大容量データ伝送や、海外派遣部隊との通信が強化され、日本の防衛能力の向上に寄与します。

Xバンドとは、マイクロ波周波数帯域の一つで、8~12ギガヘルツ(GHz)の周波数範囲を指します。
防衛用途なので想像つくと思いますが、他の帯域よりも気象や妨害(ジャミングなど)による影響を受けにくい安定的な通信が可能になります。下記サイトが分かりやすかったのでもっと知りたい方はおすすめ。

宇宙の安全保障については過去にも触れたので興味ある方はこちらを。


ただ、安全保障にかかわる通信衛星のため、詳細な衛星性能や今飛行している位置は公開されていません。

そもそも軍事衛星自体が解禁になったのも、2008年の宇宙基本法制定によるもので歴史は浅いです。

余談ですが、この際に内閣府が統括する「宇宙局」構想もありました。
残念ながら実現しませんでしたが、今のJAXAは、基本は文科省管理下ですが、目的によっては経産省や内閣府などもかかわっています。

さて、このきらめき3号ですが、内容は秘匿性が高いとはいえ、Wikiにその開発経緯は載っていました。

政府の衛星ですが、PFI(Private Finance Initiative)方式、つまり民間の活力を積極的に活用していく方針で開発が行われました。
もともとは宇宙事業の老舗JSATグループが運営していた民間衛星「スーパーバードC2」の後継にあたるようです。

なによりも、安全保障目的の衛星ですので、国産ロケットで打ち上げる意義は大きいですね。

またどこかで、今注目されている宇宙の安全保障テーマについては深堀りしたいですね。日本に限らず各国が活発な動きを見せています。

日本では丁度来年(令和7年度)の防衛省による予算概算要求の申告が終わってます。下記サイトが分かりやすくまとめてくれています。

まずは今回、国産ロケットによる国産の安全保障衛星が無事打ちあがったことを心から祝いたいと思います。

関係者の皆様、本当におめでとうございます。

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