火星到着1年だより from NASA
火星到着して1年がたって、探査車パーシビアランスからの素敵な便りが届きました。
要は、
色々と苦労は重ねてるが、なんとか2031年にサンプルを地球に持ち帰れそうです、
という話です。
サンプル採取もそうですが、既にこの探査車から生命痕跡をにおわせる、面白い情報も地球に届いて話題になってます。
サンプルリターンについては、前回ドリルで穴をあけて採取成功で盛り上がってましたが、その際にどうも全部こぼしていたようで、工夫を重ねて今度はなんとか収まっているようです。
帰ってきたら、小惑星探査機「はやぶさ」並みの苦労談が映画になりそうですね。今はもう科学者というよりはエンジニアの出番ですが、日々ハラハラしていることと思います。
そんな孤軍奮闘に見えるパーシビアランスは、実は独りぼっちでなく素敵な相棒がいます。
「インジェニュイティ」と呼ぶ、いわゆるドローンです。
もちろん火星到着は歴史上初。パージビアランスがとった彼の離陸映像をご覧ください。
え、これだけ。何がすごいの?
と思った方、ここは「火星」です。地球ではありません。
地球と比較して・・・
・重力/気圧の違いで揚力(浮き上がらせる力)が必要
・日中の寒暖差(約200度)が激しく機器メンテナンスが大変
・距離が遠い(光速でも3分)ので、自律的な飛行が必要
・充電方法は今のところ太陽光発電しか方法がない
ということです。
この運用結果は、地球の極地でのドローン飛行にも活用できると期待されています。
もっといえば、NASAによると、2027年までには土星の衛星タイタン(ここも生命可能性として期待されています)にドローン2号を送る予定です。今度は自動車大の超巨大サイズです。
そして、JAXAも実は、NASAに続けてとばかり、火星へのドローン計画に着手しています。
今回の3倍以上の飛行距離が実現できるとのことで、これは日本のエンジニアリングが貢献できる領域なのかもしれませんね。
余談ですが、地球の日本での飛行でもドローンが注目されています。
2022年にレベル4と呼ばれる最難関の規制が緩和が進む予定で、許可さえ得られれば、下に人がいてもドローンを飛行させることが出来ます。
宇宙探査というと、現地だけに目を向けがちですが、地球との相互シナジーもぜひ期待したいですね。
まずは2031年に予定されている火星からのサンプルリターンを、首を相当長くして待ちたいと思います。