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時間は思っている以上に主観的

楽しい時は時間が早く過ぎる。

だれもがこの感覚は経験したことがあると思います。
時間にも自然科学では、より精密な時計の開発によってその客観性が進んでいますが、このような生理学の視点でも無視はできません。

そんな時間の感覚について、面白い記事を見つけました。

要は、
動物の時間間隔はそれぞれ異なっており、外部環境と体内それぞれの変化で感じている
という話です。

よく、TVやゲームの動画品質を表す言葉で「フレームレート」が使われます。例えば、TVでは1秒間に約30個の静止画が連続で流れます。

我々人間の視覚では、その高速なパラパラ漫画を識別するのが困難なので、あたかも動画が流れているように感じます。

動画でなく光の点滅をとらえられる目のフレームレートが動物によって異なる、というなかなか興味深い話から始まります。

最も識別能力が高いのがハエの250回で、最も低いのが深海生物で4回。
何となくですが、寿命とも相関性がありそうですね。以前にはやった下記の「ゾウの時間、ネズミの時間」を思い出しました。

要は、
動物の大きさが違うと機敏さが違い、時間の流れる速さが違うが、一生の間に心臓が打つ総数や体重あたりの総エネルギー使用料量はほぼ同じ
という不思議な話です。生命共通のデザインが見え隠れしますね。

さて、このように視覚での識別能力が違うことが、おもに「時間の変化」を意味するのでしょうか?

最新の研究によると、どうもそんな簡単な話ではないようです。

実験によると、例えば今回使った光の点滅速度だけでなく、その光度や音量を増すと、長く感じられたとのことです。

つまり、視覚以外の感覚器官でも「時間」をとらえていることを示しています。まだ最終的な解明には至っていませんが、感覚器官を分子構造レベルで理解しようとする研究は進められているようです。

ここからは、体内時計に関わっていきます。

我々の日常に話を変えると、夜眠くなって朝になったら目覚めます。
大体24時間というサイクルで、この規則正しい時計がどのように実現されているのか?

常識的に考えると、太陽、つまり光を感じる期間に人体が生存に適応しようとした結果なのだろうと想像できます。

では、光が届かない深海魚では?

実は深海魚にも体内時計に相当するものが分かっており、水温の変化や食べ物の量で時間経過を認識しているという説が唱えられています。

これを逆に我々にも適用できるとすると、光以外に時間経過を感じさせる要因はあり、冒頭の例(楽しいほど時間がたつのが早い)が科学的に正しいことになります。

いずれにしても、時間は、客観的なものどころか、我々のすべての感覚器官を総動員して調整して出来たプラグラムであるともいえます。

今後細胞レベルでの時間経過による知覚研究が進むと、そのプログラムコードが解明され、時間をある程度制御できることができるかもしれませんね。

その時が来るのをワクワクして待っていようと思います。

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